2021年04月09日 1669号

【東リ偽装請負争議 高裁証人尋問で偽装請負明らかに 解雇撤回、直接雇用実現へ】

 3月9日大阪高裁で、住宅関連メーカー東リの偽装請負を告発し不当解雇撤回、直接雇用を求める裁判の証人尋問がありました。

 一連の裁判の中で最大の山場でした。私が証人となりましたが、神戸地裁に続き2度目の証人尋問で、重複して採用されるのはとても珍しいことです。高裁の裁判長は、神戸地裁のデタラメな判決に、明らかに疑問を持っていると言えます。与えられた大きなチャンスに、私たちと弁護団はできる限りのことをやろうと直前まで打ち合わせをしました。

 証人尋問の目的は、私たちが働いていた工程の業務は請負会社が独立して行っているのではなく、東リ伊丹工場の一部門に過ぎないという偽装請負の事実を明らかにすることでした。

 東リが作成した作業担当を調査する表を証拠に、私たちが東リの主導によって作業をしていること、そして東リ側はその表は作成していないと主張しているものの、表の中には東リ内だけで行われる業務があり、一つ一つ例を上げながら、それが東リの文書であることを示しました。

 尋問の後、裁判長は東リに対し、第1回から釈明を求めていたこと、請負から派遣に替わった時に「受発注のプロセスが廃止された」との東リの主張に、事実として変わったのか、それとも法的位置付けが変わったのか、そして自社の工程と違いはあるのかということについて、真正面から答えていないとして、再度、釈明を求めました。これは、請負工程も正社員工程も同じ作業手続であるにもかかわらず東リが「違うもの」と主張していることに、裁判長が「どう違うのか」と回答を求めているのです。この点は偽装請負の判断に大きく関わってくる部分です。

 報告集会で村田浩治弁護団長は「尋問を目的通りできた」と手応えを語っていました。しかし、だからと言って、安心はできません。敗訴となった神戸地裁の例もあり、裁判所頼みになることは危険です。夏頃には判決が出ると思いますが、それまでに、組合運動によって世論を盛り上げ、公正判決を導き出したいと考えています。そのために、判決まで公正判決署名を継続します。また5月20日、裁判所前の宣伝と署名提出行動も計画していますので、ご協力をお願いします。

◆次回結審 5月20日15時20分 大阪高裁82号法廷

(LIA労働組合・有田昌弘)

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