2021年04月09日 1669号

【さようなら原発首都圏集会に1500人/東海第二「勝訴」報告」 原発はいらない】

 3月27日、「福島原発事故10年 さようなら原発首都圏集会」が開催され、青空の下、日比谷野外音楽堂に1500人が集まった。

 福島原発刑事訴訟支援団事務局長の地脇美和さんが、事故10年を迎えた福島の状況を報告。「福島を出発地として五輪聖火リレーが強行された。事故は収束しておらず、原子力緊急事態宣言も発令中。放射性物質は今も環境中に放出されている」。2019年、東京電力3被告を全員無罪とした刑事訴訟一審判決を「反省はなく、誰の責任も問わず原発の安全性を切り下げる不当なもの」だと厳しく批判。「原発事故の被害の上に次々と人権侵害が起きているが、負の連鎖を断ち切り、あきらめではなく希望を積み重ね、子どもの目をまっすぐに見て、未来を語れるように力を尽くそう」と決意を示した。

 3月18日、水戸地裁で運転差し止めの判決を勝ち取った東海第二原発運転差止訴訟原告団が登壇すると、会場から大きな拍手がわいた。大石光伸共同代表は「裁判長は汚染面積、避難者数や関連死犠牲者の数を挙げるなど、福島の被害を前提事実として判決文に書いた。被告の日本原子力発電が必要ないと主張した被害者5人の証人尋問も認めた」と判決を評価。「司法には限界がある。ここからは闘いの力で原発を止めよう」と呼びかけた。

 水戸市を含む周辺6市村と原電との間では再稼働事前同意権を含む安全協定が結ばれている。大石さんは「避難計画の不備以外の論点では不利だったため勝訴は予想外」と本音も漏らすが「判決で6市村の今度の対応に影響があると思うか」との問いには「ある」。勝訴は自治体に再稼働拒否の力を与えるものだ。

 避難者住宅追い出し反対の宣伝行動もあり、集会後は銀座デモでアピールした。

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