2021年04月30日 1672号

【2021年4月17日配信 イラク平和テレビ局in Japan 国際連帯の力で社会変革を―イラクからの連帯メッセージ―】

 2021年3月20日、イラク戦争・占領18周年にあたり、イラク労働者共産党のサミール・アディル書記長はサナテレビを通じて国際連帯メッセージを寄せた。

 サミールさんは、2003年のイラク侵攻と占領以後のイラクの現状を語る。200万人ともいわれる犠牲者、そして政治、経済、社会の混乱は続いている。それは、まさに「大惨事」と呼ぶべきものだ。さらに利権をめぐって「アメリカとイラン・イスラム共和国の間の世界的な巨大な代理戦争の場になっている」。

 政府発表でも「人口の25%が貧困線以下の生活」という厳しい実態といえる。18年間に米国や日本、IMF(国際通貨基金)、世界銀行などが1兆ドル(110兆円)もの資金をつぎ込んだのは、グローバル資本が石油資源を奪うためだ。新自由主義政策を押しつけ教育も福祉も医療も破壊した。政治家やイスラム政治勢力が莫大な利権を手に入れる一方、「病院に治療用のベッドが1台もない。政府は医療のすべてを売り飛ばしたいのだ」と告発する。

市民蜂起の闘いの中から

 しかしサミールさんは希望を失わない。反動支配と闘う市民、労働者、若者、女性の運動が広がっている。最近もイスラム法を導入する策動にストップをかけた。

 さらに、2018年から始まった10月市民蜂起の闘いの中で、失業労働者組合や、女性の権利と平等を実現するための新たな女性団体も結成された。7つの労働組合の連合体が政府の反動政策と対決している。

 サミールさんたちはグローバル資本との闘いから社会主義への道を明確にした社会変革の闘いを進めている。コロナ禍は世界に広がり、日米韓、NATO(北大西洋条約機構)、インドなどと中国との軍事的緊張が高まる中、国際連帯の戦線の強化を強調する。

 イラク−日本の民衆の連帯に確信を深めることができるメッセージである。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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