2021年05月07・14日 1673号

【ワツコは不当解雇を撤回し団交に応じよ 女性社員のけがの事実を認めよ 大阪府労委、裁判応訴で闘う】

 私は、通信機器等を販売するワツコ株式会社(大阪市都島区)に2019年6月17日に正社員採用され、試用期間3か月の新入社員として働いていました。しかし、同年7月27日、会議室で起こった暴力事件をきっかけに、9月16日に試用期間満了にて解雇されてしまいました。

 その後、なかまユニオンに加入し、私は団体交渉による話し合いでの解決を求めておりました。ところが、団交は2回目の途中で残り時間を30分以上を残して会社側から勝手に打ち切られてしまいました。さらに会社側は、労働審判を使って暴力事件及び不当解雇の被害者≠ナある私を訴えてきました。「地位不存在」の確認を求める労働審判を申し立てたのです。これに対して応訴し、大阪地裁に「地位確認」を求める訴えを提起しました。

 知恵と勇気を振り絞り、不当解雇を撤回させます。

きっかけは暴力事件

 19年夏、会社の決算会議の場で起こった「暴力事件」が発端でした。

 加害者であるワツコ(株)の女性社員はいきなり立ち上がり、中腰の姿勢で私の右上腕部めがけて両手を振り下ろしました。資料を見ていた私には完全に不意打ちであり、強い衝撃に、一瞬何が起こったか理解できず呆然としていました。

 この暴力により私は全治2か月の打撲傷と診断され、治療のため休業することになりました。問題はここからでした。労災申請をしたいと会社側に申し入れたところ、いきなり試用期間満了通知が自宅に郵送されてきたのです。到底納得できませんでしたので抗議文を送ったその頃から、社長から誹謗中傷めいた内容証明が届くようになりました。

 大阪地裁に提出される反論の中でも、ワツコ(株)側は「この社員は異常な言動や奇行を行うんだ」「社会人として不適格だ」等の誹謗中傷を繰り返しています。さらに、暴力事件および労災についても否認しています。毎回、非常につらい思いをしております。

支援する会が発足

 今年2月21日、京都市内で、この争議を支援する「ワツコ(株)の試用期間不当解雇撤回の闘いを支援し、若者が人らしく働き続けられる社会をめざす会」が発足いたしました。現在約100名余りの会員の皆様から、暖かいご支援を頂き感謝しています。会では、私だけでなく、若者全体の就労状況を改善できないか、若者が人間らしく働ける社会を目指して活動しています。人材紹介の仲介業者の存在も問題のひとつです。試用期間=「お試し期間」という間違った認識で若者を使い捨て解雇する会社は許せません。この活動に賛同して下さる方、ぜひご支援・ご参加ください。 

 3月9日のワツコ(株)社前行動では、抗議の街頭演説とポスター配布を行いました。次回は5月20日午前10時から。集合場所はなかまユニオン事務所(大阪市都島区東野田町4―7―26)です。引き続き、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

(なかまユニオン京都支部・明日那)



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