2021年05月21日 1674号

【市民に寄り添う京橋フードパントリーの発展へ/補助金実現させた足立区に学ぶ/利用者の声から生活が見える/大阪市城東区】

 地域で支援を必要とする人に食料を無料で配布するフードパントリー。大阪市城東区で昨年9月にスタートした京橋フードパントリーは、回を重ね少しずつ注目を集める存在となっている。

 4月10日の第8回パントリーでは、支援が必要な54世帯計101人に寄付された食品などを手渡した。

 当日の運営は、スタッフとボランティアの総勢23人。今回は手渡しを確認する「個人票」や「冷凍食品のチェック表」が作成され、買い物かごの寄付もあり、初参加のスタッフもスムーズに作業ができた。

 利用者アンケートでは「コロナで仕事がなくなったので生活が苦しい」「回数を増やしてほしい」「1回の量を増やしてほしい」「生活保護を受けています。パントリーというのがあるというのはテレビで知っていたが、ポストにチラシが入っているのを見て、大阪でもやっているんだと感激した」「コロナで仕事がなくなって食料もあまりなくなっていたが、パントリーのお米が食べられるようになって体重が3sも増えました」などの声が。

 パントリーが必要とされ、生活の支えの一端になっていることが改めてわかり、活動の意義が確認された。

現場に直接行政を

 5月2日には、東京から土屋のりこ足立区議を招き「足立フードパントリーに学ぶ会」を行った。

 土屋区議は資料「千住フードパントリーが切り拓いたこと〜地域のフードセーフティネットとして役割を発揮」を使い、▽千住パントリーの取り組み▽補助を獲得できた要素を報告(本紙1668号既報)。できる限り柔軟に、支援を求めて連絡してくる人を最大限支えることを目標に、限界への挑戦を続けていることが語られた。

 補助金制度実現に向け、実績を示し、行政と「かみ合う言葉」で話し提案していったことで最終的には区長に「私も土屋議員と同じような考え方」と言わせるまでに。重要だったのは、千住フードパントリーの実際の現場に行政側からも足を運ばせたことだ。多様な区民を支援していることへの理解を広げる中で風向きが変わっていった。

 土屋区議は「行政の中で、区民とパートナーになろうとしている職員とつながっていくことも大事。京橋パントリーの実態をもっと伝えていくこと。市民の共感を広げていくこと」とアドバイスした。

パントリーの発展へ

 京橋フードパントリーの福永篤志代表は、資金や食品集めの課題克服に向けた検討状況を報告。運営資金強化の面では、城東区内の地域福祉の推進を目的に 市民・団体・企業からの資金や物品を基に設置された城東区社会福祉協議会の善意銀行への「城東区福祉活動助成金」の払い出し応募を、また、提供食品の充実には、農林水産省による「学校給食用等政府備蓄米交付」の申請を進めつつある。

 福永さんが「足立区の実践に学び、京橋フードパントリーを継続して広げ、大阪市を変えていくために、ご支援と賛同金協力をお願いしたい」と呼びかけると、終了後早速、次回に向けた準備作業に協力するボランティアも次々と。

 平和と民主主義をともにつくる会・大阪の山川よしやす代表は「足立区の取り組みを聴き、実態をもって要求することが大切だと学ばされた。行政は実態を知らないから、みんなで城東区や大阪市に要請に行こう。フードパントリーを発展させるように、がんばりたい」と連帯のアピール。

 5月8日も47世帯が利用。次回は6月12日14時〜、7月以降は毎月第3土曜日開催となる。

 ◆ボランティア・賛同等問い合わせは 福永 070-1860-3315 森 090-3275-7312









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