2021年06月04日 1676号

【1676号主張 基地も改憲もいらない/平和と命守るスピーキングツアーへ】

重要土地規制法は廃案だ

 5月21日、反基地、反原発などあらゆる運動を監視・弾圧する重要土地規制法案が実質審議入りした。安全保障上の「重要施設」の周囲約1`を「注視区域」に指定し、施設等の「機能を阻害する行為」に中止命令や刑罰を課す法案だが、文言の定義があいまいで恣意的な運用は必至だ。戦前、基地周辺の写真撮影や写生まで厳罰対象とした「要塞地帯法」の再来で、与党公明党さえ「まるで戦時下を思わせる民有地の規制」(漆原前衆院議員)と法案提出に難色を示していた。

 立憲民主党の対応も問題だ。立憲の修正案は、施設等の中止命令に従わない場合の行政代執行を認めるなど一層の悪法。緊急に抗議を行い、絶対に廃案に追い込まなければならない。

 菅政権は、改憲手続法(国民投票法)でも立憲を揺さぶりながら今国会での改定案成立をいそぐ。立憲は、法施行3年後に広告規制を検討する修正で衆院通過に加担した。「CM規制などの問題点が解決されない限り、改憲手続きには入らせないとの強い思いからだ」(杉尾立憲副幹事長)と弁明するが、改憲の歯止めにはならない。参院で徹底審議し、採決を許してはならない。国会前緊急行動も呼びかけられている。

入管法に続き悪法阻止

 新型コロナ危機に乗じて次々と悪法成立をもくろむ菅政権だが、決して盤石ではない。最新の内閣支持率は前月から9ポイント急落の31%で政権発足後最低を記録した(5/23毎日)。

 政権の動揺は、外国人への人権侵害をさらに悪化させる入管法改悪断念に表れている。入管施設で命を奪われたスリランカ人ウィシュマさんの真相解明を求める遺族・支援者をはじめ、弁護士、若者らによる訴え、SNS発信、国会前座り込みやデモなどの市民の運動と野党共闘の力で廃案に追い込んだ。1年前、検察庁法改悪阻止は安倍政権退場に道を開いた。悪法もろとも菅政権を葬り去ろう。

沖縄と結び全国に発信

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかけて全国7都市で開催される「韓国、沖縄と民衆を結ぶスピーキングツアー」(5/30〜6/7)では、土地規制法案が標的とする沖縄から基地建設反対の最前線で闘う7人が訴え、オンラインで全国に発信される。DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)とともに辺野古を止める!≠yHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)の賛同署名運動も始まった。

 国会終盤の6月11日には中央省庁要請行動が組まれ、菅政権に対して改憲・戦争路線からの根本的な政策転換を迫る。悪法阻止の緊急ファクス、国会前抗議行動などあらゆる方法で声を上げ、東アジアの平和、命と暮らしを守るコロナ対策を勝ち取ろう。

  (5月23日)
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