2021年07月02日 1680号

【1680号主張 コロナ放置で五輪へ暴走 中止で命を守り菅を倒せ】

市民の命で賭け

 「俺は勝負したんだ」―菅首相は東京五輪強行開催の決定後、側近議員にこう繰り返している(6/18朝日)。新型コロナから命を守るために市民が繰り返し求めた検査・医療拡大の要求を無視し、効果と害作用が未検証のワクチンを「切り札」として暴走する。日本が「コロナに打ち勝った証し」を示し、グローバル資本と国際五輪マフィアをボロ儲けさせるため、市民の命をコイン代わりに「賭け」に出た菅。危険な賭けを直ちに終わらせるときだ。

 内外メディア、市民、医療従事者、労働組合から五輪やめろの切実な声が上がり続ける。政府の新型コロナ対策分科会・尾身会長ら26人の専門家も「無観客開催」を求める提言を政府に提出した。だが、無観客でも5万3千人もの選手・関係者が入国する。そこからの感染だけでなく、日本人感染者から海外に新型コロナが再拡大する恐れもある。世界のすべての人びとを加害者、被害者にしてしまう五輪は中止以外にない。

批判に答えず強権

 国会でも菅は、五輪中止を求める野党議員の質問に「安全・安心な大会にする」と繰り返すだけでまともに答えない。その一方、市民の権利を奪い弾圧するためのデジタル監視法、改憲手続き法改定、重要土地規制法を強行。高齢者の医療費2倍化法など新型コロナ拡大の中で本来大はばに拡充すべき医療を逆に切り捨てる新自由主義路線に固執し続ける。会期延長を求める野党の要求に応じないまま通常国会を閉会し、逃げ回る醜態をさらした。

 安倍前政権から引き継いだ金権・腐敗政治も悪化の一途だ。2019年参院選で選挙違反に問われた河井元法相に東京地裁が懲役3年の実刑判決を言い渡した。法の執行を監督すべき立場の法務大臣が白昼公然と法を犯す。立憲主義を破壊し、コロナ危機を口実に緊急事態条項の創設までもくろむ無法者の集まり、自民党を象徴する事態だ。

選挙で菅退陣を

 コロナ無策の菅による五輪強行で感染拡大が「不安」とする回答は86%に上る。与党の圧倒的な議席数にもかかわらず、内外の闘いをつないで入管法改悪は阻止した。菅政権は支持されていない。

 6月25日、都議選が告示される。小池都知事与党の都民ファーストの会は見せかけの「無観客」公約で票のかすめ取りを狙う。コロナ感染、利権をはじめ問題山積の「腐敗五輪」を中止に追い込むには、悪政を競い合ってきた自民、公明、都民ファを市民の力で敗北させることが必要だ。

 菅は、メディアを使い五輪賛美、日本スゴイ≠ヨと誘導し、その流れで9月総選挙を、ともくろむ。自公政権に審判を下し、市民本位の政策、政権へと転換させよう。

 (6月20日) 
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