2021年07月09日 1681号

【東京五輪に警告―G7開催地で感染急拡大】

 G7で新たなワクチン援助方針を聞かされていなかった菅首相。「軽い」扱いにもめげることなく、共同声明の採択を静かに待った。「対中包囲網」のアピールとは別の関心事があったからだ。「東京五輪開催」へのお墨付きを得ることだ。共同声明の中で「開催支持」が表明された。結語の最後に一文、文字通り付け足しだった。

 ところが皮肉なことに、G7開催地の英国コーンウォールでは、6月半ばから新型コロナ感染者が急激に増加したのだ。6月初めに比べ40倍、11日〜17日までの1週間では10万人あたり905人。英国内最悪レベルになってしまった。

 英政府はG7との関連を否定しているが、地元では関係者、マスコミ、警官など6500人が集中したことが原因だと信じられている。地元紙は「五輪はやめるべき」との住民の声を伝えている。

 G7サミットの教訓があるとすれば、世界からその10倍以上の人を呼び寄せる東京五輪を中止せよということだ。「国際協調」すべきは、新型コロナ感染拡大の防止であり、「中国の脅威」への対抗ではない。
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