2021年07月16日 1682号

【都議選 菅政権打ち倒す展望開く 日野市/清水とし子さん当選 市民と野党の共闘が結実】

 7月4日投開票された東京都議選で、立憲野党は告示前の26から34に議席を伸ばした。市民と野党の共同候補の1人区・2人区などでの勝利は、来る総選挙で菅自公政権を打ち倒す展望を切り開いた。前進を支えたのは市民が主役となった闘いだ。

市民応援団が祝福

 日野市多摩平の「清水とし子さんを都政へ市民応援団」事務所。4日夜、共同代表のあるが精一前市議らが開票状況を見守ろうと集まる。午後10時20分、市選管速報では候補者3人(定数2)が1万3500票で並ぶ中、NHKが清水候補の当確を伝えた。

 拍手と歓声もそこそこに100b離れた選挙事務所へ。市民応援団から清水さんに花束を贈り、喜びのかちどきを上げる。「おめでとう」「最高の結果」「報われました」といった言葉が飛び交う。コメントを求められたあるがさんは「市民応援団をつくって市民と野党の共闘の候補を勝利させた。感無量です。市長選の種火がちゃんと残り、市政に対する不満や汚職・腐敗への怒りがずっと燃えていて、菅政権にも当然向けられていく。次は国政変革へ全力で、闘いをさらに広げる」と決意を示した。

これは市民の闘いだ

 清水さんは昨年7月の都議補選に立候補し、自民党候補に1万1千票余の差で敗れた。その自民現職都議を今回、2千票以上引き離して落選させたのだ。「自公過半数に届かず」を象徴する事態だ。都議補選、市長選と続いた悔しさを日野市民は見事に晴らした。あるがさんは勝因を「みんなが頑張ったこと。頑張って市民と野党の共闘をやったこと」とし、「これで当選できなかったら(市民応援団代表の自身の)責任は大きい。これは自分の闘いでもあった」と振り返る。

 9日間の選挙戦はまさに「市民と野党の共闘」を地で行くもの。清水さんは共産党候補だが、街頭演説には必ず他の立憲野党国会議員・地方議員が駆けつけ、力のこもったエールを送った。市長選にあるがさんを擁立した弁護士や市民も共にマイクを握り、「清水さんは生活者にとって本当に必要な公約を掲げている」「女性の思いを反映させるには女性の議員を増やすこと」と応援した。

 政策で強調したのが「五輪は中止し、コロナ対策に総力を」。東京都と日野市に「市内8039人の小中学生の五輪観戦中止」を求めるチラシを全戸配布。清水さんは「五輪より命が大事。政治が決断すれば今からでも止められる。いつでも誰でも何度でも無料で検査を受けられる体制を」と繰り返し訴えた。

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