2021年07月30日 1684号

【避難者への二倍請求 追い出し強要は許さない 緊急院内集会】

 7月19日、衆院第2議員会館で「原発事故避難者への二倍請求と追い出し強要を許さない緊急院内集会」が開かれ、約50人が集った。主催は、二倍請求と追い出し強要を許さない会。

 同会世話人の村田弘(ひろむ)さん(福島原発かながわ訴訟原告団長)は「政権は『復興オリンピック』をもって原発事故問題『解決』とし、被害者・避難の抹消をもくろんだ。避難者の住宅追い出しは、その始まりで象徴的な出来事だ」と、闘いの意義を訴えた。同じく世話人の熊本美彌子さんは、福島県が違法な手段で福島の実家を調べ上げて訪問して退去の圧力をかけた事例、経済的精神的に追い詰められた避難者の実態を報告し「これは民主主義の問題。声を上げなければならない」と支援を呼びかけた。

 瀬戸大作事務局長は「福島県には謝罪と住宅確保を求め交渉継続を。9月県議会で提訴案件を出すようなら、直ちに提訴に踏み切ろう」と行動提起した。

 訴訟をにらんで弁護団が結成されている。井戸謙一弁護士は、契約過程や契約書の問題点を指摘し「避難者をなくすための権利の乱用」と厳しく批判。柳原敏夫弁護士は原発事故に対応した法律の不存在を強調し「国内避難民に関する指導原則により、避難先からの『強制移動の禁止』が示されている。明け渡しの義務はない」と報告した。

 当事者のビデオメッセージが流された。実家訪問され母がいじめに遭った理不尽さや経済事情を聞き入れない強引さに怒る女性。都営住宅を希望し生活再建を図りたいと訴える男性。福島県の人権侵害が浮き彫りとなった。

 Zoomを通して武藤類子さん(原発事故被害者団体連絡会)や中手聖一さん(「避難の権利」を求める全国避難者の会)、会場から作家・渡辺一枝さんなど、共に闘うあいさつが続いた。

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