2021年08月27日 1687号

【2021ZENKO 子どもと教育分科会 子どもは学校に何を求めるのか 競争と支配の教育は続けさせない】

 7月25日、学校に行かない(行けない)子どもたちの居場所であるフリースペースひまわり(大阪市城東区)、たんぽぽ(横浜市鶴見区)と、教職員なかまユニオンでつくった実行委員会主催で「コロナ禍を越え、ともに生きる―教育はいま…」分科会(ZENKOin大阪)を行いました。

 コロナ禍の下、学校と教育について子ども、保護者、教職員、市民がそれぞれ何を思いどんな経験をしたか、事前アンケートを呼びかけ準備しました。当日は、大阪・横浜会場参加者とオンライン参加者をつなぎ、30分のグループ討議も交えて交流・論議しました。

 報告では、小学校2年から高校まで学校に行かずにたんぽぽに通って、今、大学生の青年のインタビュー映像もありました。学校に行かなかったことを語りながら、友達との関係を築いてきていることをはじめ、ときどきに感じたことの話です。子どもは学校・教育に何を求めているのか、考えるきっかけになりました。

 また、5月、大阪市長・教育長に対し提言を発した市立小学校の久保敬(たかし)校長にビデオレターを寄せてもらいました。「提言は、自分が大切にしてきた教育への思い、子どもたちに話してきたことに比しての今の学校、そして自分の姿への怒りがもとになっている」―そうした話を映像とともに聞くことができました。

 グループ討議では、指導が不適切≠口実に気に入らない教員をやめさせるための制度となっている「ステップアップ研修」の実態報告もありました。

共感呼んだ久保提言

 「久保校長先生の、優しいお人柄が滲(にじ)み出るビデオレター、感銘を受けました。単に正論というのでなく、ひとりの人として、子どもに寄り添いたい大人、一教育者の苦悩と誇りが伝わって、うれしくなりました」など、多くの感想が寄せられています。

 分科会は最後に「久保校長の提言を支持し、全国から大阪市に教育の見直しを求める声を届けよう!」を加えた決議を確認しました。

 情報公開請求により、久保提言以外にも教育長あてに出された大阪市立中学校の名田正廣(なだまさひろ)校長の提言(7/7付)や同時に提出された研究者・教職員・保護者・市民255人の意見書も公開されました。今、維新大阪市政の下で、次期「教育振興基本計画」策定が進められています。競争と管理・支配の教育政策継続を許すわけにはいきません。

 久保校長提言などを素材として、教育・学校について感じていることを出し合う場を数多くつくり、意見表明をしていこうと確認した分科会でした。

(教職員なかまユニオン 松田幹雄)
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