2021年09月03日 1688号

【1688号主張 横浜市長選 山中さん圧勝 菅打倒 総選挙で政権交代へ】

菅政権やめろの審判

 横浜市長選は8月22日投開票され、市民と野党の共同候補・山中竹春さんが50万票以上を得て大差で勝利した。菅首相が全面支援する小此木(おこのぎ)八郎候補(元国家公安委員長)、現職の林文子市長ら8人が立つ乱戦だったが、投票締め切りと同時に当確が出る圧勝だった。

 カジノ反対と共にコロナ感染爆発への対応が大きな争点となり、菅政権への怒りが投票に直結した。投票率は49・05%と前回より12%増、無党派層4割が山中候補に入れた。菅政権に強烈なノーの審判が下された。

 横浜市は菅首相の地元だが、小此木支援は全くの逆効果だった。不人気菅の支援表明後「どんどん旗色が悪くなった」(自民横浜市議)。市民は「菅首相のコロナ対策の批判を込めて山中氏に投票した」と語る。菅政権は、7月都議選の大敗北に続き、地元で致命的に敗北した。「菅では選挙に勝てない」と自民党内で菅おろしが始まった。

共闘をつくった市民

 山中さん圧勝の要因は、市民と野党の共闘をつくった市民の運動にある。

 林市長が公約を破りカジノ推進を表明して以降、市民の反対運動は住民投票直接請求署名・市長リコール請求署名が同時に展開される憲政史上初の盛り上がりとなり、二つの署名に約28万筆が集中した。しかし、林市政はこれを拒否。市民は運動が分裂しては勝てないと教訓化し、市長選では市民と野党の候補者一本化を求める運動を展開した。

 立憲民主党が共産党と肩を組まない対応をし、共産党が反発。連合の共闘妨害など分断の芽を市民と現場党員が一つ一つ克服した。7月18日「選ぼう!カジノ反対の市長を」横浜パレードには全勢力から250人が参加し、25日「市長選勝利をめざす市民のつどい」には立憲、共産、社民、新社など立憲野党と市民団体が並んだ。草の根からの共闘が、多くの市民が参加する選挙戦をつくった。私たちMDSも市民と共に山中当選へ全力で闘った。

総選挙勝利へ

 横浜市長選は、菅政権に大きな不信と怒りを突きつけた。カジノや五輪でグローバル資本に利益を提供し、医療費削減でコロナ感染爆発を生み、命・くらしを脅かす。この政治構造そのものを市民は断罪した。だが、命とくらしを守る政治への転換は道半ばである。

 10月21日衆院議員任期満了をひかえ、総選挙で政権交代を実現する共闘はいまだ不十分だ。小選挙区のうち70区で候補一本化が進まず立憲野党の競合区のまま。安倍・菅政治に変わる政権の政策も十分に示されず、連合の共闘妨害が続く。これらを克服するのは、都議選、横浜市長選のような現場での市民の共闘運動だ。市民と野党の共闘の力は圧倒的な勝利をもたらすことを横浜で示した。総選挙勝利へ闘おう。

 (8月23日)
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