2021年09月10日 1689号

【いのちの安全保障確立へ/「共同テーブル」がシンポジウム/非正規社会からの脱却めざす】

 「いのちの安全保障確立に向け、非正規社会からの脱却をめざす運動を」。評論家の佐高信さんや彫刻家の金城実さん、ジャーナリストの竹信三恵子さん、東京造形大学名誉教授の前田朗さん、沖縄平和運動センター議長の山城博治さんらが発起人となった「共同テーブル」は8月28日、シンポジウムを開催した。

 佐高さんが「共同テーブル」の趣旨を説明。「オリンピックを止められないなら戦争を止められない。人びとの生活に視点を据え、若者の悲鳴を受けとめる、重心の低い野党をつくっていかなくてはならない」

 竹信さんは「コロナで最初に女性非正規がやられ、1部屋しかない家に暮らすシングルマザーは『自宅療養』による感染の危険におびえている」と告発。山城さんは「中国脅威論が喧伝され、宮古・石垣・与那国で自衛隊基地建設を急ぐ。沖縄が76年前と同様に『国防の盾』にされる。中山防衛副大臣に至っては『沖縄はこの事態に覚醒すべき』と大本営並みの進軍ラッパを吹き鳴らしている」と危機感をあらわにする。

 前田さんは「マジョリティの特権を見直す。マイノリティの悲鳴を聞こうとしないヤマト民族、日本国籍、男、健常者、高学歴の『エリート・レイシズム』に要注意」と指摘。金城さんは「復興オリンピックはどこ行った。ええ加減にせえ。笑かすんでねえよ。オリンピックとコロナで福島は消えていった。沖縄も消えていった」と断じた。賛同人の「辺野古」県民投票の会元代表・元山仁士郎さんは「20代や10代後半の人たちが遺骨土砂の問題で声を上げている。若い人たちと上の世代をつないでいく」。

 社民党、新社会党、緑の党グリーンズジャパンからの連帯発言を受け、NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長の白石孝さんが「韓国『共に民主党』は200万人の党員を持つ。学校給食完全無償化の運動など膨大な市民社会運動に依拠している。ここに学ぼう」とまとめた。

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