2021年09月17日 1690号

【コロナ危機下、雇用と生存権を守る/青年層を組織する次世代の形成へ/首都圏なかまユニオン】

 首都圏なかまユニオン(伴幸生(さちお)委員長)は年間で21件の争議を解決。今後も労働相談活動を多面的に進め、青年労働者の要求実現と不安定雇用労働者の組合結集をめざす。

 8月8日に開かれた定期総会から、争議を闘う組合員の発言を紹介する。

 社会福祉法人慈生会から不当解雇され、7年前に職場復帰した島田雅彦さん。「2012年に首を切られ、裁判・都労委・中労委と闘ってきた。三多摩支部のみなさんや亡くなった中島暁元支部長、全国際自動車労組の伊藤博委員長の力をいただき、職場復帰できた。今争っているのは、元々の職だった相談員に戻してほしいということ。団交を拒否されたので、労働委員会で闘っている。9月30日の都労委、11月1日の中労委にぜひ傍聴支援を」

 中国から来日して11年目の廷さん(仮名)。「転職して2か月後、就業規則違反を理由に労働条件を不利益変更、2年後には販売不振を理由に退職強要された。その後も部署異動の強行や、傷病休職からの復職を5か月以上拒否する兵糧攻めがあり、団交を申し入れたが、会社は応諾を明言せず、2週間後いきなり解雇。外国人労働者の私はひどい目に遭ったこともたくさんあるが、優しく正義感のある日本人に支えてもらっている。不当解雇撤回を求めて闘い続ける」

 昨年6月、法人から解雇された組合員。「区役所の困窮者支援窓口の相談員をしていた。自治体業務受託費の中抜きや残業代の未払いといった不正に抗議してきたのは会社の中で私だけ。ユニオンに加入し、団交を要求するたびに会社は『厳重注意』を繰り返し、それを根拠に懲戒解雇した。目標は必ず復職すること。600万円計上された人件費が本人には350万円以下しか渡っていない現実から、声を上げられない元の仲間・後輩たちを解放したい」

 南部支部の太田裕さんは「雇い止め撤回を求めて派遣先と派遣元を相手に団交を重ねている。同じ派遣先で働いていたのに、事業所を移ったという理由で3年の期間制限が適用されないのは不公平。『研修の機会がない』『ルーティンワークばかりでスキルアップできない』など派遣に通底する問題も合わせて訴えたい」と話した。

ユニオンとともに

 「入社して半年で『追い出し部屋』に。分会をつくり、都労委申し立てや労基署への『名ばかり管理職』残業代請求の活動をしてきた」「社長に忠誠を誓わない、『社畜』でない社員を悪く待遇し、プライベートより会社を大事にする社員を好む。これが会社の体質だ」と明かすのは、メガネスーパー分会の組合員。

 勝利した争議当事者も言葉を寄せた。「団交だけでなく、公金の不正使用問題で都に住民監査請求し、4年ぶりに監査が行われた。私一人の力では解決できなかった。ユニオンと一緒に活動できて光栄。争議を通して学んだ知恵を生かして今後も貢献したい」(Nさん)「無事、勝利的和解。首都圏なかまユニオン、東京総行動、韓国の方がたのおかげで、感謝している。今も会社ではセクハラが続く。声を上げていかないと変わらない」(Aさん)

闘えば変えられる

 解決した争議の中でも特に大きな意義を持つのが、全国際自動車労組(国際全労)の残業代裁判闘争の完全勝利だ。来賓の指宿昭一弁護士が「残念なのは伊藤委員長がこの場にいないこと。一緒に祝いたかった」と前置きし、振り返る。

 「十数名の少数派組合の小さな闘いとして始まった闘いが企業を超え、タクシー業界を超えて日本の労働者全体の権利にかかわる闘いへと発展した。私たち弁護団は勝利を確信していたが、その決意を全面的に支えてくれたのが伊藤委員長であり、国際全労・首都圏なかまユニオンだった。

 私は外国人労働者の問題にずっと取り組んでいる。奴隷のように使われ、妊娠・出産を禁止され、死産したベトナム人の女性労働者は、被害者なのに死体遺棄罪で有罪判決を受けた。市民の支援はあるが、まだまだ小さな闘いだ。ただ、私は国際自動車の闘いを通じて、徹底して闘い、諦めなければ道は必ず開けると確信を強くしている。

 小さな闘いが社会を動かしていく、この日本を変えていく。このことを国際自動車闘争が証明した」

 指宿弁護士の連帯発言は青年層組織化を担うユニオン次世代メンバーに何よりの励ましとなった。

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