2021年09月24日 1691号

【みるよむ(597)2021年9月11日配信イラク平和テレビ局in Japan 犯罪者の刑事免責をなくそう 続発する抗議参加者の誘拐・殺害】

 イラクでは、イスラム政治勢力と政府が抗議行動参加者を誘拐、殺害する弾圧を続けている。ところがこの犯罪行為は「刑事免責」の名の下に罪に問われない。2021年7月、サナテレビはこの状況を変えようと訴える市民を取材した。

 映像は、権利を主張する人びとに対し、政府や治安機関、私兵らがどれほどひどい仕打ちをしてきたか列挙する。2003年の米軍占領以来、1万人の市民が秘密刑務所に入れられ、120万人が強制退去させられた。06年から08年の期間だけで17万人の市民が暗殺部隊に殺されている。

 虐殺の日付と共に、犠牲となった市民の写真や、2745人のヤジディ教徒の殺害などが示される。その張本人たち、犯罪者たちは、現在のイラクでは「刑事免責」で罪に問われていないという。

 イラクの人権状況を告発する世界1日デモ≠ノ、バグダッドの多数の市民がかけつけた。このデモは、フィンランドのヘルシンキやアメリカのテキサス州など各国で取り組まれた。

 デモに参加したある女性は「このデモは、デモ参加者を殺す連中に反対する抗議行動です」と語る。市民を殺し、社会サービスを破壊する政府や支配勢力への怒りが伝わってくる。

人殺し扇動に処罰を

 法律家のモハメド・ジャミアさんは「公金を奪う汚職をした者」の処罰を求め、「人殺しをあおった者、人殺しの一端を担った者は、誰でも処罰しなければなりません」と訴える。政治家、イスラム政治勢力と、その私兵や治安部隊の責任こそ問わなければならないと訴えているのだ。

 イラクでは抗議デモの参加者に対する暗殺や誘拐、政府高官の汚職などへの怒りが高まり、市民は「刑事免責」の名の容認を許さないと声を上げている。この闘いが展望だ。サナテレビはこうした声を広げ社会を変えようと呼びかける。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

 
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