2021年09月24日 1691号

【大阪“民”営地下鉄人員2割削減案 労働者・市民の共同の闘いで公共交通を取り戻そう】

 大阪市営地下鉄が民営化されて3年。早くもOsaka Metro(大阪メトロ、大阪市高速電気軌道株式会社)は「社員2割削減」を打ち出してきた。9月12日「乗客の安全・安心がピンチに」と市民がシンポジウムを開催、約70人が参加した。

 シンポジウムでは、元・大阪市交通局安全研修担当主査であった浜田紀男さんがフランスの国内交通基本法も紹介しながら「輸送を安全、正確、迅速に行うのが交通事業の使命」と語り、公共交通の再生を訴えた。

 85年間、市民の足として利用されてきた公営地下鉄は市バスとともに大阪維新の会の吉村洋文市長(当時)によって民営化された。

 そして今、コロナ禍に便乗し、Osaka Metroは2025年までに134億円のコスト削減計画を公表している。▽利用者の対応はインターホンと監視カメラ、利用客の少ない時間帯の改札の窓口要員廃止、可動式ホーム柵設置によるホーム要員廃止▽車掌廃止、ワンマン化▽保守拠点・検査業務の見直しなどにより社員の2割に相当する944人を削減する計画だ。

 大阪メトロユニオン山川俊明書記長は「ワンマン運転になると、地震などの災害や事故の時に地下トンネルの中で乗客の安全を確保することは困難。市民、利用者の安全・安心を守るために、一緒に闘ってください」と呼びかけた。

 「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」は、車椅子の利用者や視覚障がい者とともに実施した地下鉄の現場検証を大紙芝居に仕立てて報告。同会代表の山川よしやすさんは「Osaka Metroの合理化の問題は知られていない。11月18日締め切りの大阪市会への陳情や請願と併せ、闘う労働者・市民・議員が声を上げる運動を一緒に創っていき、医療や福祉とともに大阪市に公共交通を取り戻そう」と訴えた。

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS