2021年10月08日 1693号

【1743自治体議会で意見書を/辺野古に遺骨土砂は使わせない 遺骨土砂を埋め立てに使わないで/意見書提出の陳情を委員会採択/東京都北区議会】

 戦没者の遺骨が眠る土砂を埋め立てに使わないよう求める意見書を日本政府に提出してほしい―そう要望する陳情が9月21日、東京都北区議会の企画総務委員会で審査され、採択すべきものと表決された。本会議での議決は10月8日。

 陳情には、長年遺骨収集に取り組む具志堅隆松さんが「遺族の心を傷つける人道上の問題」と訴えていること、政府は2016年制定の「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」を誠実に執行し、遺骨を一体でも多く遺族に届ける責任を負っていることなどを記し、遺骨土砂の不使用と合わせて政府が主体となった戦没者遺骨収集の実施も意見書に盛り込むよう求めた。

 陳情を出した北区在住の藤平輝明さんは、委員会の場で5分間にわたり意見陳述。日本兵遺族の「祖父は国に従い沖縄に行き、言われた通り死んだ。しかし遺骨は家族のもの。国のものではありません」との言葉を引き、「戦没者を二度殺すことをやめてください」と迫った。

 審議では、自公の委員が「陳情者の心情は非常によく分かる。しかし地方自治法99条には、地方議会が意見書を提出できるのは当該自治体の公益に関する件について、とある。国が決めたことに自治体が意見を申し述べるべきではない」と採択に反対。一方、立憲野党の委員は「死者をきちんと弔うのは日本の文化の根幹。死者の尊厳をないがしろにしてはならない」と賛同した。

 採決の結果は委員長(公明)を除いて賛成4(共産2・立憲1・無会派=新社会党所属1)、反対3(自民2・公明1)となった。

 藤平さんは「議会への陳情は一人からでも出来る活動。ぜひ他の自治体でも取り組んでみてはいかが」と話している。

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