2021年11月05日 1697号

【外国人労働者弁護団代表 指宿昭一さん/移住労働者の命と人権を守ろう】

 3月6日、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった。仮放免するか、入院させ点滴していれば救えた命だ。

 2007年から現在までに17人の被収容者が亡くなっているが、入管は一度も責任を認めていない。

 昨年、熊本の農家で働いていたベトナム人技能実習生が秘密にしたまま出産した。なぜ妊娠を隠していたのか。それを言えば強制的に送り帰されると思ったからだ。ベトナムの送り出し機関には150万円も借金して払っている。

 熊本地裁は7月、彼女に死体遺棄の有罪判決を出した。人身売買・奴隷労働の被害者として保護されるべき人が犯罪者として処罰されてしまう国。この日本はどうなっているのか。

 今年、入管法改悪案反対運動の中で、入管の実態や収容者・仮放免者がどんなにひどい状況にあるか、だんだん伝わってきた。国会前行動は日に日に人が増えていった。高校生や大学生もたくさん訪れ、入管法改悪は廃案になった。

 労働者・市民が動けば、移住労働者の命と人権が守られない今の状況を変えることはできる。ウィシュマさんが生きられた社会を今からでもつくり出そう。

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