2021年11月26日 1700号

【1700号主張 命と平和を顧みない岸田新政権 沖縄連帯で基地・軍拡止める】

改憲・軍拡の岸田新政権

 11月10日、第二次岸田内閣が発足した。安倍・菅政権同様、命と暮らし、人権を破壊するグローバル資本主義のための政権だ。

 岸田は、政権発足の記者会見で「党是の憲法改正を進めるため、党内体制を強化する」と改憲を重ねて主張。茂木自民党幹事長も、緊急事態条項創設を改憲の優先事項に掲げ、維新や国民民主の抱き込みをねらう。

 岸田政権は辺野古新基地建設や南西諸島軍事要塞化を進めている。「辺野古が唯一の解決策」(11/6松野官房長官)と繰り返し、宮古島では住民の反対の声を押し潰して11月14日、陸上自衛隊のミサイル弾頭・弾薬搬入を強行した。

 大規模軍事演習も継続だ。自衛隊は、30年ぶりに陸上自衛隊全部隊を動員した実働演習(10万人)に続き、19日からは陸・海・空の自衛隊(3万人)が米軍(5800人)とともに日本周辺で軍事訓練を実施する。

 沖縄・南西諸島では民間地、民間港を訓練に使用する。石垣港に艦船を寄港させる輸送訓練は、住民が反対している陸自配備の先取りだ。本部(もとぶ)町八重岳での訓練は、沖縄戦時の旧日本軍部隊駐屯を想起させる。

 台湾有事を想定した日米による中国包囲を進め、東アジアの軍事的緊張をあおる岸田政権の軍拡を阻止しなければならない。

軍事費削って命まもれ

 岸田政権は、「国家安全保障戦略」とそれに基づく「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」を来年末までに改定。相手国のミサイル発射拠点などを直接たたく「敵基地攻撃能力」の保有までねらっている。自民党が総選挙公約で軍事費倍増を掲げた理由もここにある。断じて許されない。

 市民は、軍事費を削減し、命とくらし、人権を守る予算の増額こそ求めている。平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)は11月26日、岸田政権の戦争・改憲・新自由主義路線の根本的転換を求めて要請行動に取り組む。辺野古新基地建設と南西諸島軍事要塞化の中止に加え、コロナ対策と公的医療・介護の拡充、個人情報保護、反原発、避難者の権利保護、カジノ・リニア中止など地域から運動を持ち寄って、岸田政権に要求を突きつけよう。

スピーキングツアーへ

 翌日27日からは、「沖縄・韓国・アメリカ民衆を結び東アジアに平和を! 2021ZENKOスピーキングツアー」が、全国9会場で開催される(12月5日まで)。沖縄・南西諸島の新基地建設・強化と最前線で闘う9人のゲストが、最新情勢や闘いの方向性を報告。米国、韓国民衆のメッセージとともに、オンラインで発信する。

 全国で参加者を広げ、今こそ沖縄の闘いとの連帯を強め、辺野古新基地建設、南西諸島の軍事要塞化を阻止しよう。

 (11月14日)
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