2021年11月26日 1700号

【議会を変える、市民と変える 京都府向日(むこう)市議 杉谷伸夫 選挙の雰囲気変える「街角対話」】

 衆議院議員選挙の結果は、本当に大変残念だった。

 京都では、立憲民主党が地域の特殊事情を理由に野党共闘に後ろ向きという事情があった。そんな中で私にできることは何だろうと考えた。地域で一緒に活動する人たちと話し合い、市民の目に見える取り組みをしようと、横浜市長選挙の時に注目を集めた「シール投票」をすることに決めた。街角で選挙の争点を市民に示し考えてもらうのだ。

 シール投票の設問は、立憲4野党が合意した市民連合の共通政策=総選挙で争点とするべき課題の中から、4つに絞った。(1)消費税(2)公的病院の統廃合・病床削減(3)沖縄辺野古の新基地建設(4)森友・加計・桜を見る会疑惑究明―の4つに対し賛成・反対・わからないの3択とし、投票ボードにシールを貼ってもらう。説明を聞いて「知らなかった」と驚く人、質問に真剣に悩んで考え込む人など大切な対話の場となった。

 市内5つの鉄道駅前すべてで、10回のシール投票をした。隣の長岡京市でも女性グループに声かけし、スーパー前で一緒におこなった。フェイスブックに載せたシール投票の写真を見て、大阪からも友人がギターや三線をもって「賑(にぎ)やかし」に駆けつけてくれた。

 シール投票結果で意外だったのは、消費税に「賛成」の票がけっこうあったことだ。「国の財政危機」宣伝の影響が強く、消費税が金持ち減税の穴埋めに回っている事実が伝わっていない。辺野古新基地建設については、若い人を中心に「わからない」が目立った。総じて大切な事実が報道されず、真実が伝わっていないとひしひしと感じた。また、街頭署名と比べて、十代、二十代の若者も投票に参加してくれたのはうれしかった。

 取り組んだメンバーからは「こんな取り組みが街中のいろんなところで行われるようになれば、選挙の雰囲気は大きく変わるはずだ」との声がでた。その通りだと思う。「選挙活動」は、候補者や政党だけのものではなく、市民のものにしなければならない。シール投票での市民との「街角対話」は、その一つの方法だと思った。

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