2021年12月10日 1702号

【1702号主張 沖縄県の不承認決定を支持する ただちに辺野古埋め立て中止を】

変更不承認に国は従え

 沖縄県は11月25日、米軍普天間基地の名護市辺野古への「移設」として国が申請していた埋め立ての設計変更について不承認を通知した。県が不承認とする理由は科学的でかつ正当だ。

 見つかった軟弱地盤は水面下90bに達し、地盤改良工事に安定性はなく、公有水面埋立法が承認の要件とする災害防止に適合しないとした。また、埋め立て工事によるジュゴン保護をはじめ環境保全への十分な配慮がないことも指摘した。あまりにずさんな計画と県は認定したのだ。

 さらに玉城知事は、沖縄戦戦没者の遺骨が残る南部の土砂を埋め立て工事に使用する可能性にも触れ、「悲惨な戦争を体験した県民、国民や遺族の思いを傷つける行為は絶対にあってはならない。人道上許されるはずもない」と強調した。

 岸田政権は沖縄県の不承認に従わなければならない。

工事 対抗措置やめろ

 政府防衛省は、県の不承認を見越して、対抗措置を「間髪入れずにやる」としている。県の不承認決定の取り消しを求めて法的に争う構えだ。これまでに政府は沖縄県と9件、訴訟等で争い、司法権力を使って民意を踏みにじってきた。今回も強権的に従わせようとしている。土砂搬入など工事をなお続行している。

 しかし、道理は沖縄県にあることがますます明らかになっている。深さ90bの軟弱地盤に70bの杭しか埋め込めず、技術的にも地盤改良は不可能だ。その杭は7万1千本に上り、政府自身が建設費用を当初予定の2・7倍の9300億円、期間は最低でも12年以上と認め、終わりは見通せない。知事は「不確実な要素を抱えたまま見切り発車したこの工事は絶対に完成しない。工事を中止し、県が求めている対話による解決の場を」と訴える。この主張にこそ大義がある。

 普天間基地の危険性除とは、辺野古とからめず、ただちに使用中止・閉鎖とすること以外にありえない。

全国の連帯で阻止

 沖縄県の不承認に全国から支持の声を広げ、岸田政権の工事強行、対抗措置を阻止しよう。沖縄・辺野古現地の行動に連帯し青色のものを身に着けるブルーアクション≠ェ全国に呼びかけられている。

 DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)とともに辺野古を止める「ZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)賛同署名」も米国と結び共感を呼んでいる。遺骨土砂を使うなの自治体意見書は139に上る。地域で一層拡大しよう。これらと一体で、東アジアの軍事緊張を止める「朝鮮半島終戦平和キャンペーン」世界1億人署名を集めよう。

 12月6日開会の臨時国会を全国から包囲し、新基地建設を即時中止させ、戦争と軍拡路線にストップをかけよう。

 (11月29日)
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