2021年12月10日 1702号

【「不承認」支持の動きを全国へ/二度と沖縄を戦場にしない/沖縄平和市民連絡会 上間芳子さん】

 待ちかねていたデニー知事の不承認がやっと出た。これを支持する動きを全国に広げ、1月名護市長選の争点にしないといけない。(河口が埋め立てでふさがれる)美謝(みじゃ)川の切り替え問題で防衛局は「名護市との協議は必要ない」と言い切っており、市長の対応次第で大きく違ってくる。

 「普天間基地の危険性除去には辺野古が唯一の解決策」と政府は言う。だが、仲井眞(なかいま)元知事が埋め立てを承認した際の条件「5〜7年以内の飛行停止」の期限はとっくに過ぎた。軟弱地盤の存在は3年前から分かっていたのに、隠して工事を進めてきた。発注したが軟弱地盤のため着工されなかった工事に292億円が無駄に支払われた。

 海では海上保安庁が、ゲート前では沖縄県警が、抗議の人びとを排除する。私たちは県警に「あんたたちも艦砲の食(く)え残(ぬく)さー(食べ残し)のじいさん、ばあさんから生まれた孫だよね」と語りかけている。

 いま沖縄では、自衛隊と米軍の合同演習が行われている。本部町・八重岳の演習は、座り込みと町が管理する桜の木が自衛隊車両の前に立ちふさがり、中止になった。市民の勝利だ。

 辺野古の基地を完成させて何に使うのか。まず自衛隊と共同使用し、米軍引き上げ後は自衛隊が使うもくろみではないか。台湾有事を口実に、与那国・宮古・八重山・奄美大島・沖縄島と沖縄を戦争に巻き込むようなことが進みつつある。米軍だけでなく、自衛隊に対する闘いを組んでいかないといけない。

 土地規制法により沖縄県内全体で市民が監視下に置かれた。沖縄県警に「国境離島警備隊」がつくられ、対テロ作戦を行うSAT(特殊急襲部隊)の人員が配置された。戦前の特高警察のような役割を県警が担うのではないか。

 沖縄戦で沖縄は捨て石にされ、20万人が亡くなった。私たちは二度と沖縄を戦場にしない。

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