2021年12月17日 1703号【環境監視等委３委員の解任を／防衛省に署名３万３５８９筆提出 ジュゴン保護キャンペーンセンター共同代表 蜷川義章】 |
| 11月25日、玉城デニー沖縄県知事が沖縄防衛局の設計変更申請を「調査不足」と不承認処分にしました。その理由に「マヨネーズ状の軟弱地盤」と「ジュゴンに影響を及ぼす作業船の水中音調査」を上げています。私たちが沖縄県に出した意見「ジュゴンＡ（嘉陽沿岸域に生息）が２０１８年９月から行方不明になっているのは埋め立て作業船の夜間航行にある。作業船の水中音の調査を」が反映したと思います（５月に署名３万２４４０筆提出）。 不承認処分の翌26日、防衛省に沖縄防衛局の環境監視等委員３人（ジュゴンなど海生動物の専門家）の解任を求める署名３万３５８９筆を提出し、防衛省と環境監視等委員会の責任を追及しました。この３人は「ジュゴンやウミガメなど海生動物の保護対策を検討するために環境監視等委員会を設置」（沖縄県・公有水面埋め立てに関する承認書の留意事項２）により沖縄防衛局から委嘱された委員であるにもかかわらず、今年４月に英国科学雑誌に「沖縄ジュゴンは19年に絶滅した」と事実に反する論文を投稿したからです。 20年６月古宇利（こうり）島でジュゴンの食み跡（環境省）、20年に大浦湾の施工海域でジュゴンの鳴き声（沖縄防衛局）が２０４回も確認されています。ＩＵＣＮ（国際自然保護連合）専門家グループ共同議長・ジュゴンの専門家ヘレン・マーシュ博士も「全く信頼に値しない論文」と５月に抗議文を発表。７月に雑誌編集部も大幅訂正を求めました。 私たちが、環境監視等委員会要綱第１条（目的）に「委員会の目的に反する委員は不適格」などを根拠に３人の解任を求めると、「個人の論文だからコメントしない」との居直りに終始しました。 真の世界自然遺産へ要請環境省交渉では、沖縄島北部などの世界自然遺産を「真の世界自然遺産」にするために私たちＮＧＯを「世界自然遺産保護のパートナー」であることを確認しました。その上で▽「世界自然遺産への推薦について米側との「合意文書」に明記した「侵略的外来種などの必要な事業を推進する」ために、野生生物への騒音など生態系への影響を少なくするモニタリング計画は作成する▽来年12月世界遺産センターに提出するときに、私たちＮＧＯが調査する報告書は前向きに受けとめる―なども確認しました。政府交渉後の夜、衆院第２議員会館前で行われたオール沖縄会議と連携した「不承認支持！」集会（２００人参加、主催・辺野古への基地建設を許さない実行委員会）で、海勢頭（うみせど）豊共同代表が玉城知事の不承認処分を支える闘いとして、この日の政府交渉と署名提出について報告しました。 来年１月の名護市長選挙勝利を全力で取り組みます。  |