2021年12月17日 1703号

【武器でなく民間交流 石垣島へのミサイル配備撤回へ/石垣島に軍事基地を作らせない市民連絡会 嶺井善(まさる)さん】

 陸上自衛隊配備容認の中山義隆石垣市長が候補地を選定する時、島中央の平得大俣(ひらえおおまた)地区を「あそこには人があまりいないから大丈夫」と言ったことを、私は決して忘れない。私たちは、ハブや猪と言うのか? これを許せば、南西諸島は人が少ないからミサイル配備しても大丈夫≠ニいう考えにつながる。現在3選の中山市政を生んだ原因には、市民一人一人のこの問題への関心の低さもあった。

 基地建設が進む於茂登(おもと)岳の麓は、国指定特別天然記念物のカンムリワシが営巣する。干ばつ時には、市民の利用水汲み上げが3割に達し、農業用水も取水している水源域だ。しかし中山市長は「ゴルフ場として開発済みだったから大丈夫。防衛局が適切に対応するから大丈夫」と環境アセスメントも実施しない。

 石垣島には、戦後、米軍が沖縄島全域に基地をつくったために元の土地へ戻れなくなり、いわば棄民政策≠フ下で移民してきた人たちの子孫が多い。

 その石垣島を農業で経済的に立て直したのは、パイナップル畑を耕し工場をつくってきた台湾の人たちという歴史もある。昔から民間人同士の文化交流が盛んだった。武器が先ではなく、民間文化交流を先に立てていきたい。そして、フェアトレードで農産業を発展させ、先祖が守ってきた自然を豊かなままで子どもたち、次の世代に残したい。

 これが私たちの思いだ。

(12月5日 大阪集会)

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