2021年12月24日 1704号

【ZENKOスピーキングツアー―北海道 世に知らされるべき「危険と隣り合わせの生活」】

 12月3日の北海道集会では、沖縄・東村(ひがしそん)高江地区で北部訓練場オスプレイパッド建設反対に取り組み、N1ゲート前での監視活動を続ける「ヘリパッドいらない」住民の会・清水暁さんの講演を聴いた。

 ヤンバルクイナやノグチゲラに代表される豊かな自然と隣り合わせの訓練場。一部返還と引き換えの北部訓練場強化の歴史。米軍ヘリの集落近い牧草地への墜落炎上。抗議の座り込みを「通行妨害」とする国によるスラップ訴訟。子どもを守るために転居せざるを得なくなった方もいるほどに集落の間近で繰り広げられる訓練の低空飛行・爆音と振動。

 一方で、米兵に英語で伝えるメッセージが、彼らが軍から教え込まれている「訓練の正当性」に疑問を持たせている。写真が多用されたこともあいまって、臨場感豊かに語られた。

 辺野古新基地建設抗議行動との連携についての質問には、「高江で精一杯であって辺野古のことに手を回す余裕は持てていない」という答えだった。

 多くが、6月の集会での同住民の会・儀保(ぎぼ)昇さんのお話と共通していた。

 参加者からは「沖縄北部にこんなに大きい米軍基地があることを初めて知った」「報道ではなかなか知ることができない沖縄の実態を知ることができてよかった」といった感想も寄せられた。

 辺野古と比べて報道が少なく注目が集まりにくい、高江をはじめとした琉球弧の各地で進められている戦争準備の動きについて、その現場の様子と全体像を世に広く知らしめることが、引き続き重要課題であることが浮き彫りになった。

(全交北海道 砂川一郎)

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS