2022年1月28日 1708号

【食を通じたいのちの支援/広がるフードパントリー】

「ここに来れば寂しさを忘れられる」/大阪市城東区

 1月15日、大阪市城東区内で第17回「京橋フードパントリー」が開かれた。

 これは、平和と民主主義をともにつくる会・大阪の有志が立ち上げ、企業から寄付された食品などを支援が必要な人へ届けるもの。

 この日の運営は、スタッフ10人とボランティア13人。回を重ねてスタッフ間の連係もよく、さまざまな役割分担や参加者への対応も、スムーズに進行できた。

 利用者の発意で、リサイクルできる衣料などを持ち寄り交換する取り組みも好評だ。シングルマザーや病気がちで生活の苦しい方など、56世帯に手渡した。

 終了後のまとめミーティングでは、初参加のスタッフが「昔は、隣近所でおすそ分けの文化があったことを思い出しました。みなさんの足手まといにならないように、がんばりたい」と感想を語った。親が連れてくる子どもたちも楽しめる場も、検討されている。

 代表の福永篤志さんは「コロナ禍で自粛を強いられている生活の中で、ここに来れば寂しさを忘れられる、そんな場を継続していきたい」と想いを語る。

 フードパントリーは、企業からの寄付と、生協・スーパー・社協・市民からのフードドライブ(余っている食品をフードバンクなどに寄付する活動)で成り立っているため、種類や数量が安定しないのが悩みだ。「京橋フードパントリー」では、フードドライブへの協力者を引続き募っている。

 毎月第3土曜日定例で、次回は2月19日の14時から。

 利用・ボランティア協力など問い合わせ・申し込みはTEL070-1860-3315(福永)。

生活相談から共に解決めざす/東京都足立区

 千住フードパントリーは、毎月約100世帯を超える方々が利用されています。

 最近では「食べ物が受け取れる」ことに加え、利用者さんから生活相談等も舞い込むようになりました。

 生活保護を受けているAさんは「(保護費の)月々の返還金額を少なくしてほしいが、ケースワーカーが聞いてくれない」。詳細を聞き、福祉事務所とやり取りしましたが、頑なに「払えるはず」とAさんの要望を拒否する福祉課長。単純に仲介するだけで解決するかと思いきや、所長まで引っ張り出し、粘り強く話す中で要望実現を勝ちとることができました。福祉事務所が当事者に寄り添わないで勝手な都合を押しつけている実態を垣間見、議員としての働きが重要だと実感しました。

 Bさんはパントリー当初から利用されている方ですが、子どもの就職で悩まれ相談を受けました。

 千住パントリーへは、色々な人が協力してくれています。ユニオンの方、古本屋さん、子育て関連職の方、労働者協同組合の方、地域ボランティアさん、足立区の職員さんなどなど。

 ちょうど求職相談を受けた時、ワーカーズコープの方がおられ、働く場として受け入れることが可能とBさんにお話しくださいました。「ありがとうございます」と、とても助かった顔をされたBさんでした。

 パントリー活動は来月で開始からまる2年となります。パントリーはあくまでも一時支援であり、その先、安定した暮らしを作る力を獲得するには、本人の力も必要です。パントリーをうまく飛び立っていってほしいと考えていますが、いざ困ったことが起きた場合に、私たちとつながっていることで安心して相談でき、解決を共にめざせる関係がある。それが、パントリーが地域のセーフティネットである所以(ゆえん)です。

 公平・公正な地域の中の駆け込み寺として、千住パントリーを発展させていきたいと思います。

(東京・足立区議 土屋のりこ)



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