2022年02月04日 1709号

【1709号主張 名護市長選当選ならず 民意は新基地建設反対堅持】

争点から逃げた現職

 1月23日、辺野古新基地建設をめぐる焦点の名護市長選で渡具知(とぐち)武豊現市長(自民、公明推薦)が当選した。オール沖縄候補・岸本洋平さん(共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦)は大奮闘したが残念ながら及ばなかった。

 現職市長は新基地建設への賛否を明確にせず沈黙で争点から逃げ、基地交付金15億円を財源とする「子育て無償化3点(保育、給食、子ども医療)」を前面に打ち出した。自公は、市長が変われば基地交付金(財源)がなくなると市民を脅し、基地には反対だがいまの生活は大変という市民の票を奪い取っていった。

 現職再選だが、基地反対の民意は揺るがない。名護市民の62%が反対(1/16・1/17調査)、沖縄県民の7割は反対だ。岸田政権は辺野古埋め立て強行継続を狙うが、県の設計変更不承認があり、その根拠となる軟弱地盤は解決しない。新基地建設は依然として不可能だ。

基地なき市民政策を

 オール沖縄と、市民と野党の共闘が選挙に勝利するための課題もより鮮明となった。自公政権は、基地建設が争点では勝てないと見て生活に身近な政策で共感を得る戦略≠立て、岸田首相を先頭に連日電話攻勢をかけ業界を締め上げた。

 これへの対抗策として、保育、給食、子ども医療などの無償化は戦争と新自由主義を克服するオール沖縄、市民と野党の共闘でこそ完全に実現できると伝えきることだった。基地交付金15億円は2031年で打ち切られ安定財源ではない。一方、新基地建設には今後9300億円以上を注ぐ。

 直ちにこれをやめ、生活施策や本来の振興策に充てれば、名護市はもちろんコロナ禍が直撃した県民生活を再建できる。子どもにとどまらない教育無償化、医療・公衆衛生・福祉やくらしの公共サービス拡充・無償化の展望も開かれる。

 米軍基地由来の感染爆発の根本原因=日米地位協定を改定なしに、安全も観光も困難だ。地位協定放置、コロナ無策では、1千万人観光客の落ち込みも回復できない。基地をなくしてこそ命を守り生活が豊かになると焦点化させることだ。

運動と共に参院選勝利へ

 9月には沖縄県知事選がある。名護での選挙戦の課題は全国で共通する。沖縄連帯を一層強化し、7月参院選勝利で回答を出そう。

 県の設計変更不承認を支持し、沖縄戦遺骨土砂を埋め立てに使わせない意見書運動を強化しよう。米政権に影響力をもつDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)と共に新基地阻止を進める運動、ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)賛同署名を広げよう。基地をやめ軍事費を削り、コロナ対策、くらしに予算をまわして憲法を活かす政策を掲げ、参院選に勝利しよう。

 (1月24日)
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