2022年02月04日 1709号

【議会を変える 大阪府茨木市議 山本よし子 公立病院は市民の願い】

 「茨木に公立病院を作って」という市民の声を背景に、茨木市では病院誘致の計画が進んでいます。

 市長の公約の一つでもあり、市の用地である阪急茨木市駅東口の市営駐車場、駐輪場の場所に、200床以上の総合病院を確保する構想で、今年中に病院業者を決め6年後の開院をめざすとしています。茨木市には、市民病院や救急搬送できる病院も少なく、多くの市民は隣の吹田市と高槻市の病院を利用しているのが実態です。市の中心エリアに病院を誘致することに、市民も期待を寄せています。

 しかし、計画の問題の一つは、どんな病院を誘致するかです。計画では、大阪府が示す「基準病床数」からみて「新たに病床数を増やすことはできない状況」としています。これでは、子どもから、妊産婦、高齢者までの幅広い市民を対象にした公立の病院を新たに作ることは困難です。もし、民間の病院となれば、採算をとることの難しい小児科や産婦人科を持たない病院が来ることになりかねません。コロナ禍で大阪の医療体制の不備が問題となったことと合わせて、公立病院の削減をめざし国と府が進める「地域医療構想」そのものを見直していくことが必要です。

 二つ目は、財源の問題です。現時点では、市の用地を売却するのか、貸与するのかも決まっていません。今でも渋滞している駅前の道路の整備や駐車場、駐輪場の確保をどうするのか、どのくらいの財源が必要なのかが全く出ていないということです。市民の貴重な財産である用地をどれだけの金額で提供するのかは、議会では何も論議されていません。駅前の再開発が一部業者の利益優先に利用されないよう、監視を強めなければなりません。

 三つめは、子育て世代にとって切実な要望である子どもの救急医療の問題です。これまで市内にあった小児の夜間休日診療センターが廃止され、現在は高槻の救命センターまで行かなければなりません。早くても6年先になる新しい病院の開設を待たずに、今すぐ復活するよう求めていきます。

  
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