2022年03月11日 1714号

【3・1独立運動103周年/朝鮮戦争を終わらせよう 植民地支配の清算を】

 1919年3月1日、日本の植民地支配下のソウルで若者たちが発した「独立万歳」の叫びは朝鮮全土に広がる。3・1運動103周年を記念する集会が2月27日、都内で開かれた。

 「3・1朝鮮独立運動」日本ネットワークの加藤正姫さんが主催者あいさつ。「問題なのは日本政府の態度だ。批判を無視して佐渡金山を世界文化遺産に推薦した。『手のひらで空を覆う』ということわざが朝鮮半島にある。手のひらで覆っても空はなくならない。事実は覆い隠せない」

 歴史を直視し、日本と東北アジアの平和な関係をいかに築くのか。この観点から2人が講演した。

 「岸田改憲の動向と東アジアの緊張」のタイトルで話したのは「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健さん。「台湾有事で『存立危機事態』が認定されれば、海外での武力行使が可能になる。南西諸島を拠点とする日米共同作戦計画原案も策定された。(72年日中共同声明など)日中関係重要4文書や日朝ピョンヤン宣言は反故(ほご)にされ、日米軍事同盟は新しい段階に入る」と指摘し、「7月の参院選の後は25年まで大きな国政選挙がない。改憲勢力にとって『黄金の3年』。私たちは改憲国民投票にどう対処するかも考えなければいけない時点に来た」との認識を示した。

 恵泉女学園大学教授・李泳采(イヨンチェ)さんのテーマは「2022年韓国大統領選挙の行方と日韓関係の展望」。文在寅(ムンジェイン)政権は「キャンドルデモがつくった市民革命政権の第1期」だという。「しかし、反共保守勢力は革命を1期で終わらせたい。キャンドル市民革命が持続するのか、崩壊して反共保守の時代に戻るのか、という視点で大統領選を見てほしい」と勧め、「韓国社会の構造的矛盾の一番苦しいところに置かれているのが20代。10年間一度も職に就いていない若者が100万人いる。新自由主義、格差、終わらない朝鮮戦争のひずみが若い世代に来ている。李在明(イジェミョン)候補に『キャンドル革命に戻せ』と求めているのも20代のこの怒りだ」と強調した。
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