2022年03月18日 1715号

【反戦運動を「クソの役にも立たない」/民主主義を否定する橋下徹】

 ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時停戦を求める反戦デモが世界各地に広がっている。3月5日に東京で行われた行動には約4千人が参加。各自思い思いに平和への訴えを掲げ、表参道や渋谷駅近くなどを約2時間行進した。

 ロシア国内でも多くの人びとが戦争を止める行動に立ち上がっている。幼い子どもまで拘束するなど、治安当局は封じ込めに必死だが、人びとは弾圧を恐れず街頭に出て訴えている。

 こうした市民による非暴力の抗議行動を「クソの役にも立たない」と罵倒する恥知らずがいる。「維新」創設者の橋下徹だ。橋下は自身のツイッターでこう発信した(2/27)。「日本国内でウクライナの国旗を掲げて集まってもクソの役にも立たない。ウクライナとともにあると威勢よく言っていた国会議員は直ちにウクライナに行って戦え」

 ウクライナの義勇軍に志願した場合、刑法の私戦予備・陰謀罪に問われるおそれがあるのだが…。とても弁護士とは思えない乱暴きわまる発言だ。要は「戦闘参加者以外は発言権なし」という極端なことを言って、市民の直接行動に水を差したいのだろう。

 橋下は大阪府知事や市長だった頃からデモや集会を冷笑し、無意味と切り捨ててきた。「社会を変えたいのであれば、政治家になって選挙に勝ってから言え」というやつだ。民主主義の基本である市民の意思表示、政治への参画が大嫌いなのだ。それは恐れの裏返しでもある。そう、プーチンや安倍(元首相)と同じ権威主義者の発想である。

 侵略者を利する暴論をタレ流す橋下の存在は「クソの役にも立たない」どころか有害である。こんな男を重用し、国際問題や政治を語らせているテレビ局(特にフジテレビ)も、民主主義破壊の同罪だ。 (O)
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