2022年04月01日 1717号

【「ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会」発足集会 絶対に戦場にさせないと600人 思い一つに今声を上げる】

 3月19日、「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は、沖縄市内で「発足集会 『台湾有事』の平和的解決を―あなたと未来の命を守るため」を開催した。沖縄・南西諸島軍事要塞化の中、再び沖縄を戦場にさせないとのスタート集会には、オンラインを含め600人以上が参加。司会の映画監督・三上智恵さんは「会員数は昨日千人に達し、この集会中にも増え1265人になりました」とうれしい賛同の拡大を伝える。

 共同代表で女性史研究者の宮城晴美さんが「ウクライナ侵攻に世界の目が向く中、その背後で日米中がにらみあい『台湾有事』が現実になりかねない。平和のメッセージの発信を」と開会あいさつ。琉球新報報道本部長の新垣毅さんは基調講演で「核ミサイル戦争の危機」と題して、ウクライナ戦争から今日の日米同盟強化の危険性を指摘した。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア・具志堅隆松さんは「沖縄戦の教訓は、基地のあるところ、軍隊のいるところが狙われる。軍は住民を守らない。戦前は拒否できなかったとしても、現在は反対できる。いま声を上げましょう」と強く訴えた。

 県外や地域への共感の広がりも報告される。鹿児島県では、奄美大島や馬毛島(まげしま)の軍事化への危機感から、同趣旨の会が3月25日に結成される。「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会準備会」も「陸上自衛隊勝連(かつれん)分屯地へのミサイル配備に地域から反対世論をつくる」と発言した。

各地域、全国に「会」を

 共同代表の沖縄平和運動センター顧問・山城博治さんは「ウクライナの事態に、政府は次は沖縄だ≠ニ言う。なぜ沖縄かと怒りと悲しみでいっぱいだが、『台湾有事、沖縄有事』と言われる以上、それを絶対許さない、再び戦場にはさせない。保革を超え老いも若きも思いを一つに声を上げよう」と会の目的を再確認。「県の津々浦々まで戦争しない世論を広げ、与那国、石垣、宮古を結ぶネットワークをつくり孤立させない。県議会決議を実現して政府、米中にも働きかける。それぞれの地域、全国にもこの会を」と呼びかけた。

 集会運営や実務などを下支えしたのは若い会員らだ。呼びかけ人の一人、新垣仁美さんは「少ない準備期間だったが、無事発足集会を開催できた。ウクライナ情勢を受け参加者からも『沖縄を再び戦場にさせてはならない』と会活動へ期待する感想が多く寄せられた。今後、全県に活動を広めていきたい」と語る。

 集会は http://nomore-okinawasen.org/ で視聴できる。会は3月22日、玉城デニー知事に集会と決議の内容を要請する。



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