2022年04月08日 1718号

【みるよむ(615) 2022年3月26日配信 イラク平和テレビ局in Japan トルコはイラクへの軍事攻撃をやめろ】

 イラクと国境を接するトルコは、クルド人武装勢力がイラクのクルド自治州にいるとして、イラク北部に軍事攻撃をかけている。しかし実際に被害を受けているのは市民だ。2021年11月、サナテレビはトルコの軍事侵攻に反対する市民の声を取材した。

 トルコ軍は何年にもわたって軍事侵攻や空爆を続けてきた。イラクの領土内40`まで侵入している。映像は昨年11月、トルコ軍の空爆で人家が燃え上がっている場面を映し出す。その3か月後にロシアがウクライナを侵略した。トルコも、ロシアと同じような侵略行為を繰り返しているのだ。

 トルコの軍事侵略に対し、市民がバグダッドのアル・ムタナビー通りで路上集会を開き、抗議行動を行った。スローガンは「イランにノー、トルコにノー」「トルコのイラク侵攻にノー」。集会に参加したアユーブさんは「トルコによるイラクの土地への攻撃を非難するためにここにいます。路上集会は、国際社会に対して、この侵略を非難しトルコ軍の侵略をやめるよう求めるメッセージです」と語る。

表面だけの交渉

 イラク政府もクルディスタン地方政府も、トルコ軍の侵略を止めるまともな交渉をしていない。アユーブさんは「私たちのメッセージは、連邦政府とクルディスタン地方政府の両方に向けられている」と明言する。

 サナテレビは、イラク政府がトルコ政府に代表を送って協議する場面を示す。そのテロップには「しかしそれでこの攻撃は終わるのだろうか?」とある。表面だけ取り繕っても、本気で市民の命を守らない政府の姿勢を鋭く追及している。

 NATO(北大西洋条約機構)加盟国であるトルコは、イランやロシアとも関係を作りながら、イラク北部への軍事侵攻で独自の権益を確保しようとしてきた。昨年だけでも400回以上の軍事侵攻を繰り返している。あらゆる戦争に反対するイラク市民と連帯しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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