2022年04月08日 1718号

【遺骨の叫び 全国に響きわたる/210自治体で意見書採択/沖縄島南部の土砂 基地建設に使うな/公害等調整委員会第2回審理】

 沖縄戦跡国定公園内での鉱山開発計画をめぐり、沖縄県が「遺骨の有無について確認」等の措置を命じたことを不服として業者側が国の公害等調整委員会に取り消しの裁定を申請している事件で3月24日、第2回審理が行われた。

 審理に先立ち、「平和をつくり出す宗教者ネット」などの呼びかけで、公調委が入る中央合同庁舎第4号館前でアピール。沖縄から駆けつけた「ガマフヤー」を支援する会の谷大二さんは「南部が戦場になってしまったのは国の責任。国の責任をもっと明白にとってもらわなければ困る。そこに眠る遺骨が今、叫び始めた。遺骨の叫びはこだまのように全国に響きわたり、210近い自治体が意見書を採択。この叫びを委員会メンバーもちゃんと受けとめてほしい」と訴えた。

 審理終了後の院内集会では、ガマフヤー代表の具志堅隆松さんがオンラインで講演。「業者は『私権を制限するな』と言うが、それはお金儲けをする権利。私たちが主張する権利は死者の尊厳を守る権利。二つを同じまな板に載せて比べるような、品のないことはやっていただきたくない」と語気を強めた。

 審理を傍聴した谷さんから「保全すべき『風景』は単なる外観ではなく記憶・意味を含むと理解した、と委員長は言っていた。一つの前進」と報告。宗教者ネットの武田隆雄さんは「みなさんが公害等調整委にファクスを送ったことで委員の意識も変わってきた。私たちに有利な決定がされるよう、粘り強くファクス送信を」と呼びかけた。

 集会であいさつした参院会派「沖縄の風」の高良鉄美議員は「ウクライナ侵略非難決議を棄権した。台湾有事が持ち出され、沖縄の基地の“強靭化”に使われる。やるべき外交は死に物狂いで戦争を止めること」と話し、拍手を浴びた。

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