2022年04月29日 1721号

【ZENKO沖縄参加団 石垣島へ(上)/ミサイル基地と生活は両立しない/闘い続ける住民に連帯】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)沖縄参加団は4月15〜17日、ミサイル基地建設の進む石垣島を訪問。参加したZENKO共同代表の田中拓真さんから報告が寄せられた。

 石垣島の陸上自衛隊ミサイル基地建設は、自然環境への影響を無視、反対の民意を押し切り、2022年度開設へ急ピッチで進められている。しかし、工事は計画通りには進んでいない。

 造成工事が行われているが、地中から大きな岩がゴロゴロと出てくる。それを敷地内で砕石し建設に利用するのに、大幅に時間がかかっている。掘削・砕石作業の騒音は80デシベルを超える時もあり、周辺住民の被害だけでなく天然記念物のカンムリワシなどの生態系にも影響を与えている。

 雨が続いた今年1月には、建設現場の大里農道側の出入口周辺で赤土混じりの泥水が流出した。沖縄県赤土等流出防止条例違反として八重山保健所に通報。しかし、対策について回答はなく、市民が監視できないよう出入口にゲートが造られ、警備員が立つようになった。現在、3棟の隊庁舎や食堂等の福利厚生施設が建設中だが、基地全体が完成せずとも自衛隊員が先行配備されると言われている。そのため、市街地に自衛隊員と家族が居住する宿舎の建設が進められている。

市民学習会に参加

 4月16日、石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会主催の学習会「どうなっているの?どうなるの?ミサイル基地〜現状報告と土地規制法など〜」には45人もの市民が参加した。

 沖縄ドローンプロジェクトの奥間政則さんは、ドローンの写真で現在の工事の進捗状況を説明。同じく南西諸島で軍事化が進んでいる奄美大島の射撃場や宮古島の弾薬庫と同様の施設が造られることから、島々が連帯して基地建設反対の運動を行う意義を訴える。

 仲松正人弁護士は、6月一部施行、9月に全面施行の「重要土地規制法」について解説。何をすれば処罰されるのか分からず、内閣総理大臣の恣意的な運用で活動歴、職業、資産状況、交友関係、思想信条などを調査することができる、まさに「重要施設等周辺住民監視法」であると警鐘を鳴らす。ZENKOも大阪のカジノ住民投票などについて報告を行った。

 基地予定地の近くではパイナップルやサトウキビ栽培、養蚕業など住民が生活を営んでいる。弾薬庫近くの国道は小学校の通学路となっている。人々の生活と軍事基地は両立しない。粘り強く続く石垣島の基地建設阻止の闘いと連帯したい。

 
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