2022年05月13・20日 1723号

【戦争継続に反対するウクライナ平和主義者運動の声明 軍事行動、民間人への危害でなく/即時停戦し和平交渉へ(抜粋)】

 ウクライナ平和主義者運動は、紛争を平和的に解決するためのかけ橋を焼き尽くして主権を掌握しようという野心実現のために終わりなき虐殺を続行しようとするロシアとウクライナ双方に対して、重大な懸念を抱いている。

 私たちは、ロシアによる2月24日のウクライナ侵攻の決定を非難する。この侵攻は、致命的な侵略の拡大と多くの死者をもたらした。ロシアの侵略拡大以前に、ミンスク合意で想定されていた停戦をドンバスでロシアとウクライナの戦闘員が互いに侵害したことを、改めて非難する。

 私たちは、紛争当事者がそれぞれに「ナチ同様の敵」「戦争犯罪者」というレッテルを貼り、法律の衣をまとい、妥協の余地のない敵意むき出しの公式な宣伝合戦を展開していることを非難する。私たちは、犯罪の責任は、特に大量虐殺のような最も重大な犯罪では、独立した有能な司法機関により、法の正当な手続きによって公平かつ公正な調査の結果確立されなければならないと主張する。

 私たちは、軍事的残虐行為の悲劇的な結果が、憎悪をあおり新たな残虐行為を正当化するために利用されてはならないことを強調する。この悲劇は、むしろ闘争心を鎮め、流血のない最善の方法を粘り強く追求することで戦争の終結を促すものであるべきだ。

 私たちは、両国の軍事行動と民間人に危害を及ぼす敵対行為を非難する。私たちは、双方が銃撃を停止し、殺された人びとを追悼し、深い哀悼の後に、冷静かつ誠実に和平交渉に取り組むべきであると主張する。

 私たちは、交渉が不調に終わった場合、軍事的手段によって自国の目標を達成することを意図するロシア側の発言を非難する。

 私たちは、和平交渉の継続は戦場で最も有利な状況を勝ち取ることにかかっているというウクライナ側の発言を非難する。

 私たちは、両陣営が和平交渉の中で停戦する意思がないことを非難する。

 私たちは、ロシアとウクライナの平和を求める人びとの意思に反し、民間人に対して兵役への服務、軍事任務の遂行、軍支援を強制することを非難する。こうした慣行は、国際人道法における特に敵対行為中での軍人と民間人の区別の原則を著しく侵害するものである。良心的兵役拒否の権利を軽視するいかなる事態も容認することはできない。

 ロシアとNATO(北大西洋条約機構)諸国がウクライナの過激派に提供するあらゆる軍事支援は、軍事衝突をさらにエスカレートさせるものであり、私たちはそれを非難する。

 私たちは、ウクライナと世界中の平和を愛するすべての人びとに、真実を伝え、人びとの結束を図り、非暴力で悪と不正に抵抗し、戦争が必要で有益、不可避で正当≠ニの神話を否定するよう呼びかける。私たちの行動は、恐怖ではなく、平和で幸せな未来への希望によって導かれるべきだ。平和への活動で夢からその未来に近づけるように。

 戦争は人類に対する犯罪だ。したがって私たちは、いかなる戦争も支持せず、戦争のすべての原因を取り除くために努力することを決意している。

 2022年4月17日
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