2022年05月27日 1724号

【さかいみほのじゃらんじゃらんinインドネシア ジャカルタ編(8)/華人系の祝日】

 皆さまお元気でお過ごしでしょうか。ようやく花粉症がマシになってきたかと思えば、暑かったり寒かったり、冷える朝晩も多いため、我が家ではまだまだコタツとストーブは活躍しています。

 今回は、先日インドネシアではレバラン(断食月明けの大祭、日本でいうお正月休み)を迎えたことに因(ちな)んで、華人に関係するインドネシアの祝日を見ていきましょう。

 スハルト政権下で華僑・華人の宗教、信仰、慣習、文化については厳しく制限されたと前に触れました。規制するための大統領令が発出されたのが1967年、それから民主化の時代を迎えるまで、華僑・華人はインドネシアの公の場で祭事、神事を祝うことができませんでした。(コロナ禍で我々が地域のお祭りがなかなか以前のように開催できないでいる、政治的な理由でそのような状況が30年続く―というイメージでしょうか)

 スハルト政権下の旧正月(春節)について、73年2月1日付の朝刊Kompasでは、華人系の40歳以下の世代はもうお祝いすることがない、もっと若い世代はいつが旧正月なのか、年長者に教えてもらわないと分からない、と書かれていました。悲しいことです。

 67年大統領令の撤廃を命じた2000年大統領令がワヒッド大統領によって発出され、旧正月のお祝いはあちこちで賑やかに開催されるようになりました。その後03年、メガワティ大統領によって、旧正月(Tahun Baru Imlek)は国民の祝日と制定されました。

 現在では、あちらこちらに赤い提灯が吊られ、中国寺院(廟)にお参りに行ったり、獅子舞や龍舞が演じられたり、街によってはパレードが行われたり、家族親族に年始の挨拶をしお年玉を配ったり、この時期に食べるお菓子を楽しんだりと、元宵節(Cap Go Meh、新年から15日目の満月の夜)まで2週間近く春節ムードが漂います。(続)

(筆者は2020年までインドネシア在住)

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