2022年05月27日 1724号

【「沖縄復帰50年式典」に市民が声上げる 沖縄を再び戦場にするな 隠しても抗議は消せない】

 5月15日、沖縄県宜野湾市で行われた「沖縄復帰50周年記念式典」。周辺では多数の警察機動隊が歩道に鉄柵を設置し厳戒態勢だ。

 会場付近には、沖縄平和市民連絡会など市民有志が集まり、参列する岸田首相に抗議の声を上げた。「民意を踏みにじる岸田は帰れ」「辺野古の埋め立てをやめろ」「沖縄を再び戦場にするな」。お祝いムードを演出する一方、民意を顧みず強行する辺野古新基地建設、軍事要塞化の現状を、市民らは怒りのシュプレヒコールで訴えた。

 北部やんばるからチョウ類研究者の宮城秋乃さんがかけつけ、今も残る危険な米軍廃棄物の現状を訴えた。「これは実弾と放射性物質です。こんな危険なものが、人が手に取れるところに、生き物たちが住んでいるところに放置されている。沖縄をちゃんときれいにしてから全部返してください!」。回収した実弾とコバルト60が付着する部品を手に、必死に叫んだ。

ハンストを続けてきた元山さんも会場前で訴え

 14時過ぎ、東京でハンガーストライキを続けていた「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎さんが到着。ところが、多数の機動隊員と車輌が立ちはだかり、岸田首相に見せないよう遮る。連帯する市民から「どんなに車で隠しても抗議は消えないんだよ。分かっているか」と怒号が飛ぶ。

 元山さんは、妨害されながらも横断幕を頭上に掲げ、通り過ぎる首相に精一杯メッセージを送った。「復帰50年の年に、岸田首相が多くの沖縄の人の思いに応えようとしなかったことが本当に残念」とハンストを振り返った。

 ZENKOおきなわも参加した抗議行動。当事者の県民の異議申し立てさえも遮られる異常な「復帰の日」となったが、基地の現実がある限り反対の民意は揺るがない。たとえ覆い隠せても消し去ることはできない。

(ZENKOおきなわ・新垣仁美)



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