2022年06月03日 1725号

【1725号主張/世界 沖縄の市民と共に戦争止める/ZENKOスピーキングツアー集会へ】

戦争の犠牲は民衆へ

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻は3か月を超える。停戦交渉は全く進まず、市民の犠牲だけが増え続ける。

 一方、グローバル資本や軍需産業は“ウクライナ支援”の名目で利益を拡大し、戦争長期化を進める。ロシアの侵攻開始以降、米国の軍事支援は総額530億ドル(約6・8兆円)を超えた。日本政府も自衛隊機による物資輸送で戦争継続を支援する。プーチン大統領は核兵器の使用まで示唆。ゼレンスキー大統領も「ロシア軍を侵攻開始前まで撤退させられれば“勝利”だ」として、市民に戦闘を強制する国家総動員令を延長し長期化を当然とする。

 しかし、いま必要なのは戦争継続の支援ではなく、即時停戦の実現だ。ロシア、ウクライナとすべての関係国政府に即時停戦を求め、日本政府は戦争支援をやめよの闘いを強めよう。

日米一体の戦場化にNO

 岸田首相は自公維新とともに改憲と大軍拡に前のめりだ。5月23日、バイデン大統領との日米共同声明では「日本の防衛力を抜本的に強化し、防衛費の増額を確保」と明記。辺野古新基地建設が「唯一」、鹿児島県馬毛島の訓練施設整備まで盛り込み、南西諸島の軍事要塞化加速を狙う。

 東アジアでは、米中対立の激化と「台湾有事」の危機扇動が強まっている。23日の共同会見でバイデン大統領は台湾への軍事的関与の意思を問われ「イエス」と明言した。中国との軍事的緊張を一層高める。

 すでに1月の日米安全保障協議委員会(2+2)では、「台湾有事」を想定した自衛隊と米軍の「共同作戦計画」の策定を決定。その内容は驚愕(★きょうがく)だ。中国、台湾間で戦闘が発生し、日本政府が「重要影響事態」と認定した場合、米軍は南西諸島に約40か所の臨時攻撃用軍事拠点を配置。拠点候補は、ミサイル部隊を配備する奄美大島、宮古島や配備予定の石垣島だ。ひとたび“有事”となれば、基地ある島は攻撃目標となり、戦場と化す。絶対に戦場にさせてはならない。

基地阻止の声と連帯

 戦争への動きを止めるのは市民の声と国際連帯の力だ。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかける「2022ZENKOスピーキングツアー」集会(5/28〜6/5)では、南西諸島を再び戦場にさせないと最前線で闘う8人のゲストが発信する。

 韓国からはサードミサイル配備反対の闘いが報告される。米国DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)は太平洋地域の米軍基地撤去の闘いを結ぶオンライン集会(5/18)を開催。ツアー集会に連帯メッセージを寄せ、6月5日の集会にはメンバー2人がオンライン参加する。平和を求める国際的な民衆連帯を広げ、東アジアの平和の展望をつくりだそう。

 (5月23日)
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