2022年06月03日 1725号

【闘う労働運動つぶす関西生コン労組弾圧 ストライキ認めぬ大阪高裁 不当判決糾弾】

 2017年に全日建連帯労組関西生コン支部が行ったストライキを「威力業務妨害」として、執行猶予付きの懲役刑を言い渡した一審大阪地裁判決の控訴審判決が5月23日、大阪高裁で行われた。判決は「控訴棄却」。その内容はきわめて理不尽なものだ。

 問題のストライキは、労働条件の改善を定めた労使協定を実行しようとしない経営側に対してその履行を求めて行われたもの。裁判官はそのような経過を一切考慮せず、組合側の説得行動によって会社側の車が1分程度停車した場面を切り取って、「事実として車両が運行できなかった」から「威力で業務を妨害した」と強弁する。

 しかし、仮に威力を持って業務を妨害したとしても、過去の判例では罰金刑しか課されていない。どう考えても懲役刑という量刑は重すぎる点を説明できない裁判官は「時代によって量刑は変わる」などと言い出す始末。結論ありきの不当判決だ。

 被告の関生支部副委員長は「不当な判決を受けようとも、労働組合に与えられた正当な権利であるストライキをこれからも断固うち抜く」と力強く決意を述べた。大弾圧は許さないと支援に駆けつけた180名の仲間も、改めて最後まで闘い抜く決意を確認した。

(なかまユニオン・井手窪啓一執行委員長)

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