2022年06月10日 1726号

【「月桃の花」歌舞団 ガマ人間あらわる/新しいエイサー仲間とつながった滋賀公演】

 5月14日、滋賀県大津市の膳所(ぜぜ)城跡公園野外ステージでミュージカル『ガマ人間あらわる』公演が行われ、新団員も活躍し参加者の共感を呼んだ。公演実行委員長の岩崎奈那美さんに報告を寄せてもらった。

 京都滋賀歌舞団を作りたいという思いから、5月14日の滋賀公演を企画しました。それに向けて、昨年11月から月に2回のペースで滋賀県大津市の石山駅の広場でストリートライブを行なってきました。滋賀ではエイサーにあまり馴染みがなく、踊ると自然と注目してもらえました。

 滋賀の歌舞団員が1人という状態からのスタートで不安やプレッシャーなどがありましたが、地道な宣伝、ストリートライブを通して4人の方に歌舞団員になってもらうことができました。現在は新しい歌舞団員と1曲でも多くの曲を踊ることができるようにと月に2回のエイサー練習を設定し練習に取り組んでいます。

新団員が大活躍

 滋賀公演当日は73人の参加者を迎えるなか、新しく歌舞団員となった4人のうち2人とミュージカル公演のステージに立ちました。エイサーだけでなく、ミュージカルのキャスト、ダンサーとして出演し大活躍でした。新しい仲間とステージに立つという経験は、私が歌舞団に入ってから今までほとんど無くとても新鮮な感じがしました。

 また、ミュージカルの宣伝でも新しい団員が大活躍でした。積極的にミュージカルのチラシを配っている姿やチケットを売っている様子を見てとても心強かったです。今回は、毎回まわっている学校への宣伝に加え、温泉施設に併設されたお風呂カフェで踊りました。お風呂カフェではエイサー、歌、歌三線(うたさんしん)を披露し滋賀の方に歌舞団を知ってもらういい機会となりました。

 私自身も、高校の時の同級生と現在通っている大学の友達に声をかけました。ミュージカルでも社会問題という難しいテーマだったため誘って来てくれるのかという不安もありましたが、当日見に来てくれて嬉しかったです。「小学生の時以来、ミュージカルを見に行っていなかったので久しぶりにミュージカルを見られてよかった。福島のことが勉強になった」と嬉しい感想をいただきました。


今の社会の問題も

 また、公演後のユース交流会には10人が参加し、「普段考えない社会問題とか歴史とか考えさせられたし思い出させてもらった」「ミュージカルが沖縄戦のことと今の日本社会が上手く重ねられているなぁと思った」「ガマで苦しんでいることと、今の社会がガマ、お金を求める気持ちが強くて命がないがしろにされているなぁと感じた」という感想をいただきました。

 私は、ステージでは、過去にあった戦争や原発事故が人々の心から消えてしまわないよう、同じ過ちを繰り返さないよう、ミュージカルを通して社会に広げていきたいという思いで演じています。感想を聞いて、見に来て下さった方々にしっかり届いているのだと感じ、本当に嬉しかったです。

 少し先ですが、今年の秋に大津での第2回歌舞団まつりを行おうと思っています。1回目のまつりは主に私が中心となって企画しましたが、第2回目の歌舞団まつりは滋賀公演の過程で出会い歌舞団員になった4人と一緒に作り上げていきたいと思います。さらなる団員拡大を目指して一緒に活動していく仲間と繋がっていきたいと思います。

(京都滋賀歌舞団 岩崎 奈那美)



 
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