2022年06月10日 1726号

【ガマ人間あらわる 郡山公演/ともに声を出しつながろう/思い語りあう歌舞団カフェ】

 4月24日、福島県郡山市の開成山公園野外音楽堂で、『ガマ人間あらわる』公演を行いました。震災から11年の今年、沖縄と福島をつなぐ公演を、福島で関東・関西・福島歌舞団が力を合わせて行いました。交通費を捻出するためにも、初めてクラウドファンディングに挑戦。郡山市と郡山市教育委員会の後援をとり、公民館・図書館・小学校・保育園などにどんどんチラシを配布しました。当日参加者は120名になりました。

 私が一番印象に残っているのは、地元のラジオに出演した時、パーソナリティーの方から「福島では、出る杭は打たれるのでなく、引っこ抜いて捨てられるんだよ。だからみんな我慢している。それでも、こうやって県外から10年も通ってきている人たちがいることを知ってほしい。公演に来てほしい」と言ってもらったことです。

 公演は、「復興」というかけ声で沈黙を強いられている人々、コロナ禍で押し込められている人々に、抑圧を打ち破り、ともに声を出し、つながりあって生きていこうと呼びかける公演として成功したと思います。

次につながるカフェ

 その後5月8日に歌舞団カフェを行いました。現地から5人の方が参加してくれました。公演の感想はもちろん、なかなか普段は言えないこと―「福島では、放射能のことはまだタブーなんだよね」「4年前に死線をさまよった。その経験から人ひとりの命とどう向き合うかに関心がある」などの話がでました。

 神奈川の歌舞団祭り(3/27)後のカフェでも、高校生が「ぼくも実は不登校だったんだ」と言ったり、「養護施設にいるんだけど…」など、なかなか語れない本音が語られました。

 今、私の中ではカフェを行うことが胸躍る出来事になっています。自己責任論がはびこり同調圧力の嵐が吹き荒れるしんどい社会の中で、普段言えない閉じ込めている思いを安心して語り合い、つながり合える場が歌舞団カフェだと思います。さらに、カフェに参加している方々と一緒に次の新しいお祭りを作り、「私たちを人間として扱え」と叫び、また新しい方々とつながっていきたいです。

 郡山でも10月にお祭りをやる予定です。

(「月桃の花」歌舞団・神子幸恵)



 
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