2022年06月10日 1726号

【避難者追い出し訴訟第7回弁論 運動の広がりで実質審理へ】

 東京の国家公務員宿舎に住む区域外避難者の追い出し訴訟第7回弁論が5月24日、福島地裁で開かれた。傍聴席は初めて抽選となり、県内各地から市民が参加し運動の広がりを示した。

 前回被告(避難者)からの全面批判に原告(福島県)は裁判官に促され反論の準備書面(4)を提出した。ところが国際法の曲解、原発事故に対し災害救助法適用の無理解など、でたらめな法解釈だらけ。裁判長は当日、「争点整理の骨子」を示したが、原告の主張はほとんどが「いずれも否認し争う」とあり、弁護団は徹底的にたたいていく。裁判所の早期結審の姿勢だが、実質審理をせざる得ない状況に追い込む構えだ。

 報告集会では5月13日〜15日キャラバン行動に参加した市民が発言。「地元で9条の会を作り活動している。追い出し裁判はリモートを活用して広めたい」(福島市)「原発金曜行動を駅前で10年間やってきた。加害者の県が被害者にいつまでに帰れというのはおかしい。関心のない方にも知ってもらうよう取り組む」(郡山市)「神奈川から帰還したが、原発は収束してない。裁判官は福島は終わったというとんでもない認識だ。命を守る闘いをともに頑張る」(南相馬市)。

 被告の避難当事者は「皆さんに励まされる。私もとことん闘うのでご支援を」と訴えた。許さない会事務局の小林和博さんは「キャラバン行動に参加した皆さんが多く駆けつけてくれた。県の理不尽さに怒る声が地元で上がることは大きな力になる」と成果を語る。

 弁護団は「県は突っ込みどころ満載の準備書面を出してくれたので、実質審理につなげたい」と述べた。次回第8回弁論は7月26日。

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