2022年06月17日 1727号

【カジノ住民投票署名に地域から取り組んで/大阪府内72市町村で20万筆超/市民の力で政治は変えられる】

 「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」が、大阪府内各自治体で取り組んだカジノ住民投票署名は、直接請求の前提となる有権者数の50分の1を大きく超え、20万8552筆を集めた(6/5時点)。それは市民の力で維新政治を変えられるという、自らの力を再発見した運動であった。茨木市と枚方(ひらかた)市から報告を寄せてもらった。

受任者のがんばりに元気をもらう/命、暮らしを大切にする人の共同行動/茨木

 茨木市では、カジノ住民投票署名活動の前半は、成果が見えず苦しい活動だった。受任者とともに学習会を重ね、何とか軌道に乗った時には後半になっていた。周りから法定数突破のニュースが入って、自らに「焦るな」と言い聞かせながら「もっと受任者を増やさねば」と意気込んでいたが、なかなかしんどかった。

 しかし、いつの間にか増えた受任者が大胆に動き出し、お互いに知らない人が一緒に街頭に立って声を上げていた。みんなの笑顔が、私の疲れていた身体をシャンとさせてくれた。こんな快感を味わったことは、あまりない。何人かの受任者の話を紹介したい。

 Aさんは、かつて生協仲間だったので署名をお願いしたところ、仲間から友人さらにサークル仲間へと声をかけ、最終的に署名簿は9冊を越えた。

 Bさんは、コロナ禍で義理の弟さんを亡くしていた。病床逼迫(ひっぱく)で待たされ入院が遅れたのだ。「大阪をコロナ死亡ワーストにした維新は許せない。その維新がさらにギャンブル依存症を作り出すカジノで儲けるとはひどすぎる」。そう言って、連日署名に取り組んだ。

 Cさんは「僕は署名を集めるのは苦手だけれど、ギターと歌でアピールするんだ」と街角に立った。

 Dさんは「僕は2度目の都構想の住民投票を思い出し高揚感に包まれて活動している。『IRカジノの是非は府民が決める』という思いが、こんなに多くの人をつないでくれていると思うと最高に嬉しい」と、週3回の透析の合間をぬって参加された。

 また、会うことはなかったが、匿名の市民が署名行動の場所と時間を知らせるチラシを作り1000枚も配布してくれていた。それを見て署名場所に来た方が何人もあり、感動した。

 2人で自宅付近を全戸訪問したEさんとFさんは「日ごろお付き合いができていないので緊張しながら回ったが、思いのほか気持ちよく話を聴いてもらえてホッとした」と言う。

 街頭では、同じ場所に立ってもなぜか署名が取れず悔しくて気持ちが沈んだ日もあった。様々なエピソードを共有しながらみんなで走り抜けた2か月だった。

 そして茨木市も、最終日の夜半に法定数4673筆を突破した。その後もいくつもの団体から署名が届き、6月3日現在で6000筆を超えている。命、暮らしを大切にする仲間や団体が一つになり、取り組み喜び合えた貴重な活動だった。

 住民投票を実現させるぞ。

(大阪府茨木市・垣内玲子)


維新府市政を刷新するのは/市民による目を見ての対話から/枚方

 枚方市役所前に常設したカジノ住民投票署名の定点ポイントは、署名簿の拡散と集中の場所として活躍しました。駅頭やスーパー前での街頭署名は、宣伝場所として有効でした。

 そして今回の運動で大きな力を発揮したのが、全戸訪問行動です。

 「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」の通信「平和がいちばん」読者や支持者だけでなく、エリア内の全戸を漏れなくピンポンする。これまで集合住宅などで取り組んだことはありますが、これだけ大々的に繰り広げたのは初めてです。

 訪問して来意を告げると、ほとんどの方が顔を出してくれます。インターホン越しに拒否する人は少数です。ボールペンを持って飛び出して来てくれる人も一人や二人ではありません。

 カジノが成長産業だとは誰も信じていません。博打場建設に税金を使うことに首を捻ります。「みかじめ料」のような税収をあてにする府市はおかしいと思っています。

 首長や議会で多数を占めマスコミを操る維新は、一見強大に見えますが、市民の生活の場では彼らのでたらめさは見抜かれています。

 目を見ての対話が市民の運動の力の大きな源泉です。

(大阪府枚方市・佐藤謙司)

 
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