2022年06月24日 1728号

【議会を変える、市民と変える 京都府向日(むこう)市議 杉谷伸夫 必要な人が受けられる就学援助へ】

 「就学援助制度」は、皆さんご存知だと思います。経済的に豊かでない世帯に対して、市町村が児童生徒の学用品費・給食費などを援助する制度で、大切な役割を担っています。しかし、制度を利用できるのに利用申請していない保護者が多いと考え、現在開会中の向日市議会の一般質問で、制度の案内等の改善を求めました。

 就学援助制度は、学校教育法によって市町村に義務づけられた援助制度ですが、援助の認定基準は市町村ごとに大きく異なり、利用の実態にも大差があります。向日市は援助の認定率が10%台前半と低い方です。

 市が毎年学校で配布している「就学援助制度についてのお知らせ」に、就学援助の対象となる方の条件が記載されています。生活保護の受給、市民税の非課税、国民健康保険料の免除などの他、「経済的理由により就学が困難」な世帯も対象となっていますが、具体的な条件が書かれていません。これでは、保護者は自分が就学援助の対象となるかどうかわからないだけでなく、「生活保護に近いくらい低所得でないと認定されない」という誤った認識をもち「自分は対象外だ」と思って申請を考えない方が多いのではないかと思います。

 そこで私は、「経済的理由により就学が困難」とは、向日市ではどのような基準で判定されるのか、また具体例を挙げての説明を求めました。

 市の答弁によると、認定の要件は世帯の総所得から社会保険料等を控除後の所得が、生活保護基準の額の1・3倍未満であること。家族4人(父収入有・母収入無・中学生・小学生/詳細条件省く)の世帯の所得要件の目安額を聞いたところ、社会保険料等を控除後の所得で、持ち家の場合310万円、借家の場合400万円程度でした。「所得」ではピンと来ないので「年収」で見ると、条件により大きな幅がありますが、借家の場合なら年収600万円程度になるでしょう。もっと多くの方が利用して良いはずです。ちなみに向日市の認定基準は、京都市を除く京都府内市町村の平均的な水準です。

 私は「就学援助制度についてのお知らせ」に認定基準について掲載することと、わかりやすい事例や説明を載せることなど改善を求めました。来春の新年度にむけ、必要で利用できるのに申請していない方を無くせるよう、引き続き改善を求めます。
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