2022年06月24日 1728号

【原発賠償京都訴訟控訴審 若い世代の原告が意見陳述】

 6月8日大阪高裁で、原発賠償京都訴訟の控訴審弁論が開かれた。事故当時未成年だった女性原告Aさんが意見陳述に立った。

 Aさんが大学進学で京都に行く準備をしていた時に原発事故は起こった。妹が体調不良となったのをきっかけに家族全員で京都へ避難。その両親の決断を今でもありがたく思っている。

 ホールボディカウンター検査を受けた際に、医師から「何の問題もない。結婚して出産して幸せになれる」と言われたことで逆に放射能の健康影響を痛感し、母体としての自分を否定するようになったという。

 陳述は、事故当時子どもだった原告や原告の子どもたちの声を代弁した。住宅支援がなくなり引っ越して友だちができなかった子、バイト先で「放射能を浴びたような顔をしているな」と言われた子、学校で「ふくしまげんぱつ」と言われた子、母子避難で父親と生活することができなくなった子。「勝手に避難を進めた家族を今でも許せない」と語った子もいた。

 Aさんは「本当は、家族に避難を選択させた東京電力や国がいけないのに、どうして、大切な家族に対してこんな思いを持たされてしまうのか」と裁判官に問いかけた。最後に、原発によるさらなる被ばく者がなくなることを願うと述べ、陳述を終えた。

国連特別報告者が訪日

 報告集会では、京都訴訟のメンバーが中心にその実現に向けて活動してきた「国内避難民の権利に関する国連特別報告者の訪日調査」受け入れが決まり、日程が9月26日〜10月7日となったことを報告。市民側の調査にあたって財政負担が生じるため、カンパ協力の訴えがあった。

〈振込先〉「国連特別報告者の訪日を実現する会」 ゆうちょ銀行 記号番号:14490-4403316

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