2022年07月01日 1729号

【戦争支援するな 命とくらしに予算を 市民が岸田政権に突きつける ZENKO中央要請行動】

 6月17日、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の中央省庁要請行動が行われた。ウクライナ戦争を利用して軍事費を拡大し、社会保障を削減する岸田政権の命と暮らし切り捨て政策の転換を9省庁に強く求めた。

 参院議員会館前のスタート集会で岸田政権の政策に徹底的にNO≠突きつけるシュプレヒコールをした後、各省庁へ要請に向かう(本面と6面に関連記事)。

 行動後、まとめ集会で外務省交渉の参加者は「想定した回答だった。時間があれば国際連帯活動の報告をぶつけたかった」と市民の声の重要性を語る。初参加という兵庫県西宮市でケアマネジャーを務める市民は「当事者不在の議論を何とかしたい」と駆けつけた。事務局の山川よしやすさんが「地域からの声を突きつけ続け、政権の姿勢を変えたい」と締めくくった。

即時停戦の外交を 戦費支援やめよ 外務省

 外務省には、ウクライナ戦争の即時停戦への外交努力を求めた。担当は「ロシアの侵攻は重大な国際法違反。ウクライナに積極的支援を行う」とロシア悪・ウクライナ支援一辺倒の姿勢で、外交とはほど遠い。ZENKOは「ミンスク合意でOSCE(欧州安全保障協力機構)はロシア、ウクライナに中立的立場をとっている。日本もOSCEのパートナー国。ならば外交で停戦交渉を進めるべきだ」と強く主張した。

 しかし、外務省は「ウクライナ危機は明日の東アジア。危機意識を持って外交を行う」とアジアでの戦時対応≠キら平然と口にする。対ロシア経済制裁の解除要求にも、「国際社会との連携」とあくまで懲罰政策を変える様子はない。

 また、参加者の戦費支援、軍事援助停止の要請に「ODA(政府開発援助)で社会整備など支援。戦費支援ではない」と開き直る。政府自身が「目的」とする内容の徹底チェックを求めた。

沖縄・南西諸島を戦場にさせない 防衛省

 防衛省要請に応対した職員20数人は、ウクライナ戦争加担や沖縄・南西諸島軍事化について何の問題もないとする答弁を繰り返した。

 米核空母と陸海空自衛隊が軍事演習し、ウクライナ近辺に自衛隊の大型輸送機が支援物資輸送の軍事作戦を展開していることは「自衛隊法に基づく活動」と言い放った。辺野古新基地は「唯一の解決策」の政府答弁を繰り返し、地震による崩壊の危険性予測、大地震データをわざと採用しなかった点も「法律にのっとっている」に終始。「台湾有事」で島々が戦場になった時に住民全員を避難させることができるのかと問うても、「主要な任務は武力攻撃の排除」。住民の命などまともに考えてもいない。

 とはいえ、辺野古新基地埋め立てへの沖縄戦犠牲者の遺骨を含む土砂使用問題については「まだ決まっていない」と言うしかない。全国に広がる反対運動が圧力となっているからだ。

 闘いの力によって政府・防衛省の戦争政策にストップをかけなければならないことを改めて確信した。

(ZENKO事務局・森文洋)

住民合意なし カジノ計画を認定するな 国交省

 国土交通省交渉では、約21万筆の直接請求署名を集めた「住民投票をもとめる会」事務局長でもある山川よしやすさん、同会共同代表の西澤信善さんをはじめ大阪府民らが「大阪IR・カジノ計画を認定するな!」と迫った。

 対応した国交省の審査委員会担当課長代理が「審査中のため内容的な回答はできない」との態度を崩さない中、「要求基準に適合した計画について、評価基準に従って審査」という審査内容にかかわる国会での政府参考人発言を確認。住民合意、大阪府・市の財政圧迫、経済効果、試算等の大きな問題を指摘した。

 西澤さんは、住民への正しい情報提供のない現実を示し、大阪府民は72市区町村21万筆に込められた「住民の同意はない、こんな税金の使い方は許されない」との強い思いを訴えた。

 要請書などを審査委員会委員に渡すことすら抵抗したが、伝えることを確認。知事がカジノの実体を隠した証拠(情報公開審査会への諮問文書)も手渡した。

 (大阪市・松田幹雄)

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