2022年08月05日 1734号

【1734号主張/2022ZENKO 戦争も基地もカジノもなくそう 展望は市民の力と国際連帯】

死んでも私物化

 岸田政権は7月22日、選挙遊説中に殺害された安倍元首相の葬儀を「国葬」として行うと閣議決定した。

 天皇制国家のために思想・良心、信教の自由を否定した国葬令は日本国憲法制定で廃止され、「国葬」に法的根拠はない。政府は「弔意強制はしない」と言うが、メディアを動員した追悼と安倍礼賛ムードが上から作られる。生前「モリカケ桜」など国政私物化の限りをつくした安倍は、死してなお国家を私物化し続ける。

 改憲勢力は、安倍の遺志を継承するとして改憲発議をもくろむ。だが、策動を阻む展望がある。市民の力と国際連帯だ。

内外の運動が結集

 2022ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が7月22〜24日、大阪をメイン会場に内外を結んで開催された。国内、海外の様々な分野から、最前線の闘いが報告された。

 DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)は、貧困層にかけられる住宅立ち退き攻撃に抗議し、居住権を勝ち取るポートランド市の条例制定直接請求運動などを生き生きと紹介した。韓国・対案文化連帯は、朝鮮戦争終結への決意を表明。イラク労働者共産党は、社会主義の視点で政府支出を戦争から貧困対策や医療に振り向けさせる重要性を語った。フィリピンからもドゥテルテ―マルコス支配に抗する闘いが報告された。

 ウクライナ戦争を口実に好戦勢力が台湾有事―戦争をあおる国内からも、「沖縄を再び戦場にするな」と伊波洋一さんの参院選当選を勝ち取った沖縄現地、国・東京電力の責任を問い健康被害や住宅追い出しと闘う原発事故被害当事者、最高裁で勝利判決をもぎ取った東リ争議など労働運動の報告も続いた。参院選で勝利した社民党福島議員、共産党山添議員からは連帯あいさつが寄せられた。

希望は民衆の闘いに

 ZENKO開催直前の7月21日、大阪カジノ住民投票条例を求める直接請求署名21万筆を市民が府に提出した。原発復権を狙う政府・電力資本は6月の最高裁不当判決で国益℃鰹縺\安全無視をあらわにしたが、市民は株主代表訴訟での13兆円賠償判決で痛烈な反撃を加えた。自前の闘いで前進を作り出し、諦めを突破し、市民自らの解放につなげる。カジノ住民投票署名の成功はその象徴だ。

 自公政権の経済失政にウクライナ戦争が加わり、低賃金、物価高騰、さらにコロナ第7波で文字通り市民の命とくらしが脅かされている。ウクライナ戦争支援をやめさせ即時停戦とロシア軍撤退を実現する。朝鮮戦争を終結させ東アジアの平和を構築する。新自由主義を葬り、基地、カジノ、原発をなくす。医療、教育、市民生活へ財源を振り向けさせる。希望は民衆の闘いと国際連帯だ。

 (7月24日)
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