2022年09月30日 1741号

【統一教会と杉田水脈政務官/ジェンダー平等政策に背を向ける岸田内閣/OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)代表 茨木市議 山本よし子】

 政治家と「旧統一教会」との協力関係が大きな問題になっている。「旧統一教会」は選挙支援・協力などにより、議員との関与を強め、国政の中に大きく食い込んできている。その一つがジェンダー政策である。

 「旧統一教会」は、ジェンダー平等や女性の権利保障とは真逆の考えを持っている。「ジェンダーフリーなどというイデオロギーはサタン的な考え」としており、「社会の最小単位は家庭であり、理想の家庭を作ることが世界平和の礎である」と説く。また「結婚は男女のカップルが子を産み育てるためのものなので、同性カップルに認めるべきではない」と主張している。

 「旧統一教会」は、超保守的議員の主張に呼応しながら自民党に取り入り、勢力を維持拡大してきた。それが安倍元首相らとのただならぬ関係であった。安倍氏のお気に入り杉田水脈(みお)衆院議員もその一人なのだ。

 岸田文雄首相が杉田議員を総務政務官に任命したことに、批判の声が上がっている。杉田議員は19年に旧統一教会関連団体で講演。自ら「お客様で満杯」と発信しているが、その関係を聞かれても「旧統一教会関連団体の定義がわからない」と居直っている。彼女の主張は「旧統一教会」の考えと全く一致している。

 この間の杉田議員のジェンダー平等攻撃の言動は目に余るものがある。彼女は「LGBTは(子どもをつくらないから)生産性がない。そこに税金を投入するのは果たしていいのか」とか、「女性は平気でうそをつける」など、女性や性的マイノリティを侮辱する発言を繰り返してきた。また選択的夫婦別姓制度の導入に反対し、男女共同参画基本計画案から「選択的夫婦別姓」の文言を削除させることにも動いた。

 さらには、国際的な水準でジェンダー平等をめざすために制定された女性差別撤廃条約を敵視し、既に日本政府も批准している条約の破棄を訴え、「男女平等は絶対に実現しない、反道徳の妄想です」とまで言っている。「日本軍による慰安婦の強制連行はなかった」として、「慰安婦」問題を研究している学者に誹謗中傷を行うなど、危険極まりない人物なのである。

NGO65団体が任命に抗議

 このような人物が官僚トップ事務次官の上に立つ大臣政務官に任命されたことで、ジェンダー平等政策が大きく後退していくことは明らかだ。NGO65団体が加盟する「女性差別撤廃条約実現アクション」は、岸田首相に対して「杉田水脈議員の総務政務官任命に抗議し撤回を求める」文書を送った。この中で「(杉田議員の任命は)岸田政権がジェンダー平等に背を向け、差別・人種侵害を容認する政権であると内外に宣言したに等しい」と指摘している。私たちOPENも抗議文に賛同し、岸田政権を追及していく。

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