2022年11月04日 1746号

【沖縄普天間基地即時閉鎖 辺野古新基地建設断念せよ/米国地方議員30人超 DSA他100団体連邦議会に要請/公開書簡】

 沖縄環境正義プロジェクト(OEJP)代表の吉川秀樹さんが9月7日に米国連邦議会軍事委員会のメンバーに宛て発した公開書簡(本紙1740号既報)に32人の米国地方議員と100以上の市民団体などが賛同の署名をした(10月18日現在)。この公開書簡を米国内で拡げてきたアメリカ民主主義的社会主義者国際委員会(DSAIC)が10月18日、米メディアに向けプレスリリースを出した(抄訳別掲)。

 沖縄普天間基地閉鎖、辺野古新基地建設断念を求める公開書簡は9月当初、国内外87の環境保護や反戦を掲げる市民団体などから支持が寄せられ、発せられた。その後、賛同団体の一つDSAICが軍事委員会に属する32人の連邦議員への要請を強めようと、各選出区の地方議会議員に対し書簡への賛同を拡げる取り組みを行ってきた。ひと月程度の間に30人超の議員が署名した。

 ニューヨーク州上院議員ジャバリ・ブリスポートをはじめ、ペンシルバニア州、バーモント州、ロードアイランド州、ハワイ州などの州議会議員やニューヨークやシカゴなどの市議会議員に及んでいる。DSAICはさらに多くの議員の署名を得ようと奮闘している。

 米国では11月8日に中間選挙が行われる。ウクライナ戦争や対中国軍事緊張をあおるバイデン政権のもとで、軍備増強を支持する傾向が強まっていると言われている。その中でDSAICは沖縄米軍基地を「長年にわたり市民の生活と環境を脅かしてきた」ものとして、「世界最大の環境汚染源である米軍の破壊的な影響を抑制」するよう軍事委員会委員に強く要請している。

 OEJP吉川さんは、米国の女性団体コードピンクのネット番組に出演し(現地10月18日)、辺野古新基地問題を訴えた。再選を果たした玉城デニー沖縄県知事は「辺野古問題を国際的に訴えていく」と語る。ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)とともにOEJPの公開書簡の取り組みはその大きなサポートとなるのは間違いない。

DSAICプレスリリース(抄訳)

 DSAICは全米の地方議員から、OEJPの連邦議会への書簡に対する賛同を得たことを光栄に思う。私たちは、有権者の声を聴き、この緊急の課題に関して立場を明らかにして賛同された全ての議員に賛辞をおくる。そして、引き続き他の議員にも支持を呼びかけていく。

 DSAICは、米海兵隊普天間航空基地の閉鎖と辺野古の新たな「代替施設」の閉鎖を要求している沖縄現地の闘いと連帯していることを誇りとしている。これらの軍事基地は長らく、事故、化学物質による汚染、部品落下、騒音被害、絶滅危惧種ジュゴンの棲息地や貴重なサンゴ礁の破壊を引き起こし、沖縄の住民生活や環境を脅かしてきた。米政府が普天間基地の閉鎖を約束してから25年、その期限はとっくに過ぎている。直近の県民投票でも72%以上が反対を表明した。構造上の欠陥のある辺野古新基地建設は即時撤回すべきだ。

 私たちは連邦議会上下両院の軍事委員会委員に、これらの危険な米軍基地の閉鎖を求める沖縄現地からの訴えを支持し、即座に行動を起こすよう要請する。基地の運用と建設の継続は沖縄の人びと及び地球全体に深刻な危険をもたらす。連邦議会議員が民主主義の尊重と、環境の保護、そして気候変動との闘いに真剣であろうとするならば、現地からの声に耳を傾け、米軍が環境にもたらす破壊的な影響の抑制に着手するべきだ。何といっても米軍は世界最大の環境汚染組織なのだから。

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