2022年11月04日 1746号

【議会を変える市民と変える/東京都日野市議 有賀精一/最高裁不受理 市政を大きく転換】

 ごみ収集車の搬入路を公園内に設けたのは違法として市民が日野市を訴えていた裁判で9月8日、最高裁は市の上告受理申請を不受理と決定しました。これにより、東京地裁・東京高裁で出された判決が確定しました。

 判決は、公園内に搬入路を設けたことは違法と断じ、建設費用約2億5千万円余りを大坪市長に賠償させるよう命じています。

 この効果は絶大でした。10月2日、市長は原告代表6名を前に正式に謝罪し、「判決の趣旨、法の趣旨を重く受け止め、都市計画と異なる施設を設置した、その違法性の解消に取り組むため、市民参画で話し合う場を持ちたい」と表明するに至りました。

 数度にわたる協議を経て10月9日、原告と市長の間で4項目の合意書が交わされました。昨年の市長選で私が掲げた政策を発展させ、これまでの市の方針を180度転換する画期的な内容です。

 第1項に公園外への搬入路設置について「広く市民(原告団を含む)、研究者、専門家などを募り、市民参加、住民合意のもとに検討をすすめる」こと。第2項に「日野市から『概ね30年間で撤退』する日野市・国分寺市・小金井市3市覚書を再確認し、すみやかに協議を開始する」こと。第4項には「市長は、確定した判決の内容、及び上記各項の合意に基づく日野市の方針を国分寺市、小金井市、浅川清流環境組合に報告し、理解と協力を求める。市長は、国分寺市、小金井市、浅川清流環境組合に対して判決および合意の内容などを、原告団とともに直接報告する機会をつくる」こと。

 とかく賠償金2億5千万円の問題に目を奪われがちですが、今求められているのは原告要求に沿った問題解決のレールに大坪市政を乗せることではないでしょうか。合意書を交わすことはまさにこのことを意味しています。

 原告市民の皆さまと共に歩んできた立場からも私自身、市政を大きく動かしたと実感できる体験をした次第です。

 賠償問題については臨時議会で論議されますので、次回報告します。今後も困難はあるでしょうが、原告市民の皆さまとともに前に進みます。

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